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問63 『死ぬ瞬間』での死の受容の段階

受容過程の心理学的理解においては、問46解説で取りあげた障害受容の価値転換理論のような、並列的な要件としてとらえる考え方と、いくつかのフェイズを順に進んでいくという考え方とがあります。後者のような段階説の代表格が、Kübler-Ross, E.がベストセラー、死ぬ瞬間 死とその過程について(中央公論新社)で示した、死の受容の5段階でしょう。最後の第5段階はもちろん、受容ですので、本問ではそれより前の段階について問いました。

1、これは第2段階です。否認しきれなくなって、周囲に感情をぶつけます。

2が正解です。第4段階で、助かるあらゆる可能性が閉ざされていると理解しての絶望、そして自殺の危険もありますが、ここを抜けることで、受容のデカセクシスへと向かうことになります。

3、これは第1段階です。認めたくないことを認めずにいようとする機制は、問16解説で取りあげたアルコール依存の否認にも類似します。

4、これは第3段階です。宗教的な感覚ですが、絶対的な神との取引で助かろうとねがいます。