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問16 アルコール依存の離脱症状と否認

アルコール依存症は、かつて慢性アルコール中毒と呼ばれたものに、ほぼ対応します。なお、依存の読みは、心理学では「いぞん」が一般的です。NHKも、2014(平成26)年から、「いそん」よりも「いぞん」を優先する方針に切りかえました。

1アルコール健康障害対策基本法2条にあるように、「アルコール健康障害」はアルコール依存症を含む、より広い概念です。

2、依存症になると、むしろアルコールが切れることで、手のふるえ、発汗、厳格といった離脱症状が起こります。飲酒すると治まりますが、アルコールが切れてくるとまた起こります。そのため、快を求めるというよりは、不快を避けるために飲む側面が出てきます。

3が正解です。この場合、急性期の統合失調症のような病識欠如や、高次脳機能障害の病態失認のようなものとは異なり、認識が成立しないというよりは、認めたくないために否認に走ると考えられています。

4、これは無理です。いったん依存症のレベルになった人は、少しでも口にしてしまうとすぐコントロールがきかなくなりますので、まったく飲まないようにする断酒しか、助かる道はありません。