きょう、J-CASTに、加藤紗里と川本真琴「公開和解」の不気味 「次に狙うのは何だ」と憶測乱れ飛ぶという記事が出ました。「シンガーソングライターの川本真琴さん(42)とタレントの加藤紗里さん(25)がついに「和解」」としつつ、さほどよろこばしくはなさそうな書きぶりのものです。
「第1試合は、川本さんが1月下旬に「わたしの彼氏を取らないでください」と特定の女性に向けてツイートしたことがきっかけだった。」、あれがこんな展開になるとは、誰も思わなかったことでしょう。今なお「古見し人は二三十人が中に、わづかに一人二人」の世界で、もう川本を知る人も、あるいは知っていて今も活動していると知る人に限るともっと、少なくなったところでしたが、アサ芸プラスの記事、衝撃!川本真琴「わたしの彼氏を取らないで」ツイートの“彼氏”はゲス極・川谷!?のようなかたちで、当時の芸能スキャンダルのどまん中につなげられたために、ひさびさの注目となったのでした。猫ひろしの、カンボジア国籍になったのに代表になれなかったのが、猫なのに笑えたように、実は狩野英孝だったという、狩野なのに笑える展開に、無名なのに狩野よりは笑える役者が登場して、若々しい攻めを連発してきました。ふと、FLASH DIAMOND(光文社)で川島明が、「スカラとか使った記憶ない。大人になってから身を守ることの重要性がわかる。」と述べたのを思い出しました。
「絶対、新曲(『ホラーすぎる彼女です』)のための売名だと思う!」と攻撃されて、「ここで第3試合に突入――とはならなかった。川本さんは14日に「しばらくツイートやめようかと思います」と宣言。」、売名に売名と言われて、はずかしくてついていけなくなったのでしょうか。けさの読売新聞朝刊で、松野明美は「恥をかいて笑われた分、どんどん抵抗力がついていくのですよ。」と説きましたが、こんな売名に抵抗力がつくのも、考えものです。震災関連で今ごろに再評価されている役者の、媚びない力(杉良太郎著、NHK出版)でもはっきり、偽善だ売名だと言われても気にしないと述べた、あの世界とはまったく別の次元なのです。それでも、名前が売れてきたここで止まるところに、またかと思った人もいるかもしれません。桜(川本真琴)で「神様は創りかけてやめてしまった」と歌い、ツアーを終えるとぱたりと音さたがなくなって、売れてきたところでピークとなってしまいました。1998年の宇多田ヒカル(宇野維正著、新潮社)で取りあげられた歌姫たちが世に出た年のことです。
「しかし、何らかの心境の変化があったのだろう。加藤さんのブロックを解除するとともに、前述の和解宣言に至った。」、決意はかたいでしょうか。桜では、「“絶交だ”って彫った横に“今度こそ絶交だ”って彫った」と歌っていました。
「川本さん曰く、狩野さんとは「今は良き友人」。」「川本さんと加藤さんが握手した今、わだかまりは何もなくなった。」、プロレスやビーフのようです。ピッコロやベジータを連想した人もいるでしょう。悪役も、人気が出ると仲間にされるのです。
それで思い出したのが、NEWSポストセブンにきのう出た記事、最初は嫌いだったのに…? 加藤紗里に魅了される心理です。「女子大生のAさん(21歳)は、こう語る。」として、「『なにこいつ! 最低!』と思って、狩野英孝との記事を検索しはじめた」はずが、「今ではアンチというよりファンかもしれません(笑)」とあります。「最低」から出発しましたので、「ロストゲイン効果」の記事で取りあげた効果のような展開があったのでしょうか。心理学では、ゲイン-ロス効果と呼ばれることが多いものです。訳す書き方もありますが、社会心理学への招待(白樫三四郎編、ミネルヴァ書房)ではなぜか、本文では「獲得―損失効果」、索引では「獲得ー損失効果」と書かれました。また、「はじめは『鳥みたいで怖い』なんて思っていたのに、画像を見ている間にだんだん可愛く思えてきちゃって……。」、鳥(A. ヒッチコック監督)の恐怖が頭にうかびました。そして、「Bさん(51歳)」は、「はじめは『下品な子だわ』と思っていたんですが、ブログ記事を読むなかで徐々にファンになってしまって……。」、もう下品とは思わなくなったのでしょうか。私には、品は変わらないように見えますが、それをかくすどころか、目だつほどに出すという品のなさが、おもしろいとは思います。Amazon.co.jpで評価がわかれた大人なのに可愛い理由(神崎恵著、KADOKAWA)の、171ページの教えとは対照的です。