生駒 忍

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夫に毎日ののしられる妻と「心の運動神経」

きょう、恋愛jpに、カレを喜ばせたい! 気が利く女性になれる“心の運動神経”の鍛え方という記事が出ました。

「彼氏から、「おまえは気がきかない」といつも言われます。」というところから、相談がされることになります。この相談者は、DV防止法で対応できる範囲ではなさそうですが、心理学にかかわっていると、広義のDVのにおいを感じます。東京都立精神保健福祉センターのウェブサイトで、よくある相談事例を見ると、4件目に「「夫に毎日『気が利かない、役立たず』とののしられ、生活費も満足にもらえません。」(妻)」があります。一方、心理学の外の世界の表現ですが、一般にはモラハラということばのほうが、想像されやすいかもしれません。

回答は、「でも、大丈夫です!」と、前向きに呼びかけます。回答は敬体ですが、美の懺悔室を思い出しました。そういえば、田辺誠一さんがお答え! ゆるめの人生相談。(主婦の友社)では、桐谷美玲は質問する側で、みーにゃのせりふに、「桐谷さんにも、悩みがあるにゃー?」とあります。

「心理学ではこのように気がきく人のことを“心の運動神経が優れている”と表現します。」、そういう心理学もあるのでしょうか。一般的な心理学の感覚からすると、気がきくのは、体性神経では知覚のほうの個人差のイメージですが、これは運動神経という用語の、通俗的な用法を使った比喩表現のようです。少し検索してみると、たとえばマリアローザのパーティー情報の記事、心の運動神経が、TPOのことや、のばす方法など、同様の観点を述べているのが見つかります。一方で、武士道プロダクション無双館の記事、武活動にも「心の運動神経」が登場しますが、こちらは少々意味が異なるかもしれません。

最後に、参考文献として、本当は怖い心理学BLACK(齊藤勇監修、イースト・プレス)が示されます。「齊藤勇・著」とありますが、監修者です。ちなみに、ピクシブ百科事典でゴーストライターを見ると、現時点では最後の編集で、「仮に本職の作家が作品のすべてを代筆させた場合は、「著作」ではなく「監修」という形になる」と書きたされていました。