きょう、Daily News Onlineに、元少年Aの住居を特定?噂の”足立区H団地”に行ってみたという記事が出ました。
誤解をまねきそうなタイトルだと思います。これほど遅れて取りあげたのに、住居や住所がきちんと割りだされたわけでもなく、「走ってきた方向から少しは絞れるかもしれないが、どこに住んでいたのか特定するのはとてもできない。」として、棟さえしぼれていないのは、疑問符でゆるされると考えれば、それまででしょうか。また、「足立区H団地」といっても、あそこは区営ではありませんので、気をつけてください。そして、当の本人は、あっさりと立った後でしょう。週刊ポスト 3月4日号(小学館)には、「やはりその直後から、暮らしていたアパートには姿が見えなくなった」とあり、「メディアの直撃取材を受けてすぐに姿をくらませられるのは、暮らせる場所があらかじめ複数確保されていると考えるのが自然」として、「Aに支援者がいる」ことがほのめかされました。
「足立区自体、東京23区の中では、人気がない区である。進学率が低い、平均所得が低い、下流社会、と揶揄されることもあるし、東京都23区住宅地の平均価格ランキングも最下位になる場合が多い。」、事実です。23区格差(池田利道著、中央公論新社)も話題になりました。ですが、足立区だけがやり玉に挙げられやすいことへの不満も、理解できます。週刊現代 3月5日号(講談社)では、「多くの都民が「そういえば行ったことがない」そして「正直に言って、あまり行きたいと思わない」と口を揃える場所」として、「足立・葛飾・江戸川の3つの区、すなわち「下町三兄弟」」がひとまとめで論じられ、フォローされました。あるいは、マンションコミュニティのスレッド、足立区ってどうなんでしょう?の、No.41やNo.58は、フォローになりますでしょうか。
「記者が逃げ込んだ、スーパーも簡単に特定できた。なぜなら、他にスーパーがないからだ。」として、ぼかした写真があります。この建物は、スーパーそのものというよりは、スーパーを中核としたショッピングモールです。ほかには、ダイソー、パシオス、サイゼリヤ、イレブンカットなど、リーズナブルな店ぞろえです。なお、この撮影場所からは、南に2分も歩けば、また別の、より古いスーパーがあります。
「どこまでも団地が続く、とてもさみしい雰囲気の街だ。」、これはしかたがありませんが、それでも「リニューアルされて綺麗になったため、入居者は増えつつある」のが救いでしょう。まもりやすい集合住宅(湯川利和著、学芸出版社)の2章に取りあげられた、犯罪の巣窟になり、住民が逃げていき、荒廃する悪循環で、ついには爆破処分となったプルーイット・アイゴウにはならなかったのです。あのすさまじいすさみ方と、爆破の瞬間は、コヤニスカッツィ(G. レジオ監督)で見た人も多いでしょう。
「どこの地域に住んでも、近所に元犯罪者が住むのを完全に防ぐ方法はないのだ。」「いつも“気をつけて生きる”ことが大切」と締めます。まさに、正論です。極論ですが、六本木ヒルズでさえ、満期後しばらくまで、堀江貴文がいたのです。それでも、防ぎきりたいという思いは、排除型社会(J. ヤング著、洛北出版)の世界をみちびくことになり、その背景には、わが国でも震災後にあらわになった、ゼロリスク志向があります。
それで思い出したのが、R25にきのう出た記事、「座り二宮金次郎」に呆れ声噴出です。「スマホ首」とスマホ依存の記事でも取りあげた、歩きスマホの問題などを意識した造型で、「「勤勉たれ」よりも「ながら○○は危ない」ということを優先して訴えているかのような金次郎座像に、違和感を覚えた人は多いよう。」です。誤解した人もいるかもしれませんが、座像は以前からあり、神奈川県土地家屋調査士会広報ニュースの記事、めずらしい金次郎見つけた!にも見つかりますし、終焉の地では初かもしれませんが、生誕の地にもあります。ちなみに、Motif. スマホスタンド 二宮金次郎は、歩きスマホそのものの造型です。