生駒 忍

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防犯意識と戸締まりを完璧にすることの危険性

きょう、マイナビウーマンに、“防犯意識”をしっかり持って! 「一人暮らし」で決してやっちゃいけないことという記事が出ました。

「そこで今回は女性のみなさんに、防犯意識を高める大切さについて、一人暮らしで決してやってはいけないことについて、教えていただきました。」とありますが、2本のテーマについて調べたのではなく、後者のほうのみではないかと思った人もいると思います。ですが、あぶない思いをした体験を述べたことを、「防犯意識を高める大切さについて」間接的に教えたのだと見なせば、どちらのテーマもあると理解できるでしょう。

一方、その後者である「決してやってはいけないこと」とは正反対のように思える回答もならびます。「下着の洗濯物を外に干さない」「玄関の鍵をきちんと閉める。」「夜、窓を開けたままで寝ない。在宅中でもカギはかける」などです。それでも、ひとり暮らしですと、中で倒れてしまったとき、やっとのことで救急車を呼んでも、戸締まりが完璧では救出が遅れてしまう危険もあります。マンション管理最前線の記事、救急車を呼んではみたものののような事態です。

それにしても、同じくマイナビウーマンにきょう出た記事、一人暮らし女子だからこそ心がけている「防犯対策」3選とのかぶりぐあいが気になりました。こちらが「下着を外に干す」「鍵をかけない」「窓の開けっぱなし」「すぐにドアを開ける」の4本であるのに対して、「3選」は「簡単にドアを開けない」「帰宅時は背後を確認する」「洗濯物を外に干さない」です。「『マイナビウーマン』にて2016年1月にWebアンケート。有効回答数405件(22歳~34歳の働く女性)」に対して、「『マイナビウーマン』調べ」「2016年1月5日〜12日」「234人(22歳〜34歳の女性)」ですので、波ダッシュが異なることはともかくとしても、たまたま似たような調査がおたがいに調整されずに行われたようにも思えます。あるいは、12日までで切ったものと、もっと後まで足したものから「働く」人のみを取りだしたものとであって、イラリスの記事で指摘した可能性ではありませんが、実質的には同じものかもしれません。もちろん、防犯の話題づくりは、何度しても世の中のためになるのですが、同じウェブサイトが、2時間半ほどの間でくり返したのは気になりました。ふと、日経ビジネスアソシエ 2015年7月号(日経BP社)で五百田達成が、女性の会話について、「同じ話が何度でも繰り返されるので、2時間でも3時間でも平気で話していられます。」としたのを思い出しました。