生駒 忍

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野村克也による清原の評価と医師の届出義務

きょう、アサ芸プラスに、みんな知っていた?清原の薬物使用をチームメイトはなぜ通報しなかったのか!?という記事が出ました。

「逮捕劇から日が経つにつれて、清原容疑者が薬物に手を染めながら孤立を深めていったことがわかってきた。」として、絶縁、離婚、さかのぼって「ナベツネに『光っているのはピアスだけだ』と揶揄」されたことなどをならべます。「福祉ってのは最悪だな」発言の記事でも取りあげたマイク・タイソンの、がらが悪いとされる土地から大スターに上りつめ、しかし側近とはなれ、内容がみがかれないままかたむき、たびたびの粗暴行為、2度の離婚、破産、実は現役時にも手を出していた薬物で逮捕といった半生を思わせます。その点では、週刊朝日 2月19日号(朝日新聞出版)の野村克也インタビューと合わせて読むと、興味深いでしょう。「実績を残した人は監督やコーチをやっているじゃないですか。」、これは石平太郎のきょうのツイート、民主党の細野氏は、自民党の今井絵理子氏擁立について「知名度だけを目当てにする候補は望ましくない」と批判。の話題とは対極で、この人が言うからこその威力がありますが、「技術の先には頭脳と感性が必要なんだよ。でも清原は若いときに教育されていないから考えないし感じない。」と指摘し、「バカ」という表現をくり返し、「野球人としての復帰はまあ難しいでしょうね。」と突きはなします。一方で、復帰をめぐっては、RBB TODAYにおととい出た記事、清原容疑者「永久追放」発言の杉村太蔵に、上西小百合議員「所詮馬鹿は馬鹿」が取りあげた、ばかばかしい場外乱闘もありました。

「医師が薬物中毒者を診断した場合、もしくは公務員が薬物を使用していると知った場合を除けば、刑法上は知っていても警察に通報する義務はありません。」、よりによって「法曹関係者」がこんなことを言うとは思えません。刑法に通報義務という話題が、そもそも奇妙です。爆発物取締罰則7条や麻薬及び向精神薬取締法58条の2のようなものはありますが、特別刑法はすべて刑法とは別ですので、「刑法」と略すはずはありません。PRESIDENT Onlineにきょう出た記事、日本を「老害」の国にしているのは「グズ」な若者が、「東京都の渋谷区」を「言わずとも知れた、若者の街です。」と書いたことのほうが、重なりはありますので、はるかにましでしょう。そして、刑事訴訟法239条2項が、「公務員が薬物を使用していると知った場合」にかかわりますが、刑訴法を刑法と呼ぶ「法曹関係者」がいたら異常です。医師に関しては、麻取法58条の2が近いですが、覚醒剤は対象外ですし、「警察に通報する」のではなく、都道府県知事への届出です。ちなみに、この条文の「すみやかに」は、医師に課される届出義務としては異例の表現で、役所の届出らしいいつまでにという期限を定めない一方で、感染症法などにある「直ちに」でもありません。この届出がろくにされていないとされることとも関連しそうです。