生駒 忍

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自分を認めてほしがるLAMSと酒鬼薔薇世代

きょう、マイナビニュースに、脳科学から見るネット上での異常行動の配信行為 - 行き過ぎた本能的な欲求が引き起こす「Look at me 症候群」とは?という記事が出ました。「「Look at me 症候群(Look-at-me syndrome:LAMS)」という新しい概念」を紹介するものです。

「人間を対象とした脳研究の第一人者」、あまり見かけない表現です。この表現で、皆さんの頭にまっ先にうかぶのは、誰でしょうか。

「自己顕示欲や目立ちたがりという概念は古くある。それらはもちろんLAMSに含まれるが、そこまで目立たなくても「存在を認めてほしい」という欲求もLAMSには含まれる。」とします。人は「そとづら」が9割(三枝理枝子著、アスコム)の、人間の三大渇望の世界です。

「大脳辺縁系は動物が共通して持っている部位です。」、そんなことはありません。皆さんのからだにはあると思いますが、皆さんのからだに住んでいる動物は、例外なく大脳がないはずです。ことばの定義が異なるのでしょうか。少なくとも、「緑の線の内部が脳内における大脳辺縁系の位置」と、四角くかこんで辺縁系を示すのは、かなりユニークです。

「自己顕示型と匿名型は表裏一体であり、匿名型は基本的には自己顕示型のゆがんだ表現の形」というのが柿木教授の考えだ。」、ここは「増田」も近いのですが、そのひとりによる、はてな匿名ダイアリーに先日出た記事、どんな増田書いたか知らんけど、間違いなくくらいが現実ですし、現実でこの表裏一体を表した存在としてはやはり、絶歌(元少年A著、太田出版)を連想せざるをえません。週刊ポスト 7月10日号(小学館)でビートたけしが、「コイツの場合は、遺族を傷つけたっていいから「自己表現」をしたいってこと」と断じ、しかも32歳にもなって匿名で出てくることを批判しましたが、「無機質な「記号」」を名のる「透明な存在」なのに、強烈な存在感です。酒鬼薔薇聖斗へのあこがれの記事で取りあげた、同じコホートの死刑囚たちさえかないません。実話BUNKA超タブー vol.8(コアマガジン)の「酒鬼薔薇と同じ1982年生まれ全員ダメ人間名鑑」によれば、ほかにも障害者リンチ、まんが家脅迫、変態「スパイダーマン」など、大小さまざまな同期がひしめく世代ですが、おそらくは永遠に、出世頭は酒鬼薔薇のままでしょう。

目だちたがりは「周囲に迷惑をかけない限り、放置」、「ただし犯罪的な行為に走る場合は、司直による対応と同時に医療専門家による精神鑑定が必要となる。」そうです。司直の出番は当然ですが、精神鑑定は、あればあったで意味はあるものの、税金や関係者の時間に見あった価値が見こまれる範囲で、必要と考えたいところです。

「柿木教授が作成したLAMSになる可能性があるかどうかのチェックリスト」、心理学的にはいろいろなものが混ざっていそうです。どんな因子構造になっていそうでしょうか。項目5、「大皿料理に最初に手をつけられず、好きなものをとられて悔しい思いをすることがよくある」は、長いですがユニークな目のつけどころです。項目16は、男女とも、比喩的、ないしは揶揄的な意味での「女優」として読むところでしょうか。