きょう、ライフハッカー日本版に、現在がうまくいかないのは、過去や未来に心が漂流しているから~現在に集中し続けるための3つのポイントという記事が出ました。
「カウンセラーである私が、心理カウンセリングをしていてよく耳にする不平は、「自分がずっとしたかったこと、するつもりだったことをしてこなかった」という後悔です。」とのことです。そして、そこには性差があるそうです。rTYPEの記事、「人生リセット願望」その理由とはで、リセット願望は男性のほうが強く、しかも年齢が上がるほど増えることを思わせます。一方で、CNET Japanにきょう出た記事、Twitterアカウントは4つ持ち--本音が言えない女子高生が向かう先が紹介した知見は、「また、人間関係をリセットしたくなることがあるか質問したところ、女子高生はあてはまる(「あてはまる」(39.5%)、「ややあてはまる」(28.3%))と回答した割合が約7割と一番高かった。女子大生では63.0%、20代社会人女子では60.0%と、総じて男子より女子の方が高い傾向となった。」というもので、部分リセットでは逆転があるようです。
「私たちの心は簡単に流されて「現在」を離れ、はるか彼方の「過去」や「未来」に漂着してしまう」、これが問題だとします。マラソンは上半身が9割(細野史晃著、東邦出版)が、「今はさまざまな情報に溢れて、過去や未来に意識を引っ張られる時代です。」としたこととも関連しそうです。
「現在に集中し続けるための3つのポイントを以下にご紹介しましょう。」としますが、その3点とは、「「過去」を振り返らない」「「未来」の世界に生きない」「「現在」に軸足を置く」です。これでは「現在に集中し続ける」のほとんど言いかえだと感じて、がっかりした人もいそうです。「「現在」が居心地の良いものではない場合、往々にして私たちの心は流されて、「過去」に戻ったり「未来」に辿り着いたり」するというのであれば、現在への感じ方を変えるのが根本的な解決になるとわかるはずですが、それができていれば苦労しませんので、こういう3点を出すことにしたのでしょうか。
その根本を裏がえせば、「現在」に心地よい居場所をつくり、うまくつくれたらずっと保ちつづけることの重要性がみえてきます。先ほどのCNET Japanの記事にも、キャラチェンジに成功できて、たのしい毎日を手にした高校生が登場します。友だち地獄 「空気を読む」世代のサバイバル(土井隆義著、筑摩書房)のキャラ論とも関連しますが、「日々が学校と家の往復の繰り返しの彼女たちは、世界が狭い。学校の友人関係がすべての彼女たちにとって、居場所がなくなることは何よりも怖いことなのだ。」といえます。いかにも、サードプレイス コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」(R. オルデンバーグ著、みすず書房)的な支援が求められそうなテーマです。