生駒 忍

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山場CMの悪影響と広告宣伝費の節税効果

きょう、Unyoo.jpに、2023年テレビCM崩壊 ー 博報堂生活総合研究所の暗示という記事が出ました。

長音記号はともかくとしても、インパクトのあるタイトルですが、「では、2023年とは何なのか?」とすぐ思うところを、具体的な説明は3ページ目からとなります。博報堂生活総研の文書から出たものです。「その時の50歳以上が1973年以前生まれの人々で、残りの半分が1974年以降生まれの人々。生活総研の生活定点調査でも、今の40代以上と30代以下の間に最大の価値観の溝(キャズム)が、存在していました。」、1973年はもちろん、第1次石油ショックで、高度成長が強制終了となりました。また、「福祉元年」とは皮肉な名前ですが、結果的には福祉の拡大のピークとなってしまいました。そして、この年の出生数は211万人に上り、ここが団塊ジュニアのピークでもあります。テレビ消灯時間(ナンシー関著、文藝春秋)の解説で関川奈央が、日本社会は1974年ごろに変わったと論じたこととも対応します。

Apple TVをおぼえた筆者の娘の事例があり、「一度、Huluで見てしまうと、普通の地上テジタルテレビ放送には戻れない。」、それは「HuluではCMが入らないから」で、「CMで番組が中断されるのは嫌いだ、と5歳の娘ですらはっきりという。」そうです。特に日本の場合は、いわゆる山場CM、CMまたぎが多く、不快感は強いでしょう。Amazon.co.jpでとても評価の高い、必ず役立つ! 「○○業界の法則」事典(高嶋ちほ子著、PHP研究所)によれば、TBS系「水戸黄門」の由美かおるの入浴シーンも、CMで視聴者が他へ流れてしまうことへの対策として始まったようですし、昔から考えられてきたやり方ですが、近年はずいぶんとあからさまになりました。それでも、BLOGOSに5か月前に出た記事、<テレビ番組の過剰テロップに疑義>視聴者は現在のようなテロップだらけの画面構成を望んでいるのか? ‐ 影山貴彦には、CMまたぎは「視聴者の強い反発もあって、少しづつ減っているようにも」とあります。

「実際、はっきりと測ってはいないが、ある程度は貢献しているはずだから、会社の経営が順調な時や景気が上向いている時などには、テレビCMに多額のお金を投下すること自体、それほど問題にはならないのだ。」とあります。ここは、わかっていてあえて書かないのだとは思いますが、「ある程度は貢献」というあいまいなものだけでなく、はっきりと計算できる、広告宣伝費の節税効果も大きいところでしょう。