生駒 忍

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速水もこみちと日本の弁論大会の不自然さ

きょう、毎日新聞のウェブサイトに、速水もこみち:カフェメニューを初プロデュース「気合入ってます」という記事が出ました。

「「(番組で)料理コーナーを担当していて、自分で食べることはありますが、お客様に食べていただく機会はないので、正直、不安な部分と楽しみな部分があって気合が入っています」とコメントした。」そうです。「魚類心理学」の記事で触れた新海誠のおどろきもそうですが、つくるほうには、受けとるほうの感じ方が意外にわからないともいわれます。YOMIURI ONLINEに、あす付になっていますが、実際にはきょう出た記事、おとなの煙談 第8回 自分の中の「観客の目」をずっと大切に。で、映画監督の中村義洋は、「撮影が終わったら次は編集作業に入るわけですが、全編を通して流すときはできるだけボーッと見るように心がけています。5、6回見ると、そのうち1回ぐらいは観客の目線になれることがある。」と明かしていました。

「速水さんがプロデュースしたのは、クリスマスシーズンに合わせて、チキンをメインに、ライスと野菜を添えた「パリパリチキンのワンプレート〜2種のこだわりソースを添えて〜」(1500円、税込み)。」です。メニューの名前と、地の文とで、添えるものとして示したものが異なります。料理で、添えるという表現をとる場合、どんな状態を指すのが典型的なのかは、考えがわかれるところかもしれません。TrainShop2014年・2015年12・1月号に載ったおせちで、いくらとなますとの位置関係が、写真ではどれも大差ないところを、1ページでは「紅白なます(いくら入)」、5ページでは「なます(イクラ添え)」と書いていました。

「ナレーターらしいもの、感情を入れたものの2パターンの収録を行い、後者が採用されました。」と明かしています。この人が、淡々と枯れたナレーションを入れたら、それはそれで興味を引きます。そういえば、パブリックスピーキング 人を動かすコミュニケーション術(蔭山洋介著、NTT出版)には、「いちいち意識して感情を込める必要があるような話は,そもそもするべきではありません。不自然になるだけです。」「日本の弁論大会が不自然なのは,感情を込めるからです。」とあります。