生駒 忍

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世界一ではなくなった韓国のキムチと奇形児

きょう、マイナビウーマンに、中国食材ってどうして危ないの?という記事が出ました。登録制サイトであるビューティ&ダイエットの、「女の子の悩み相談室」からの転載のようです。

「中国食材」といっても、豆板醤、ピータン、干しなまこといったような、中華料理ならではの食材の話題ではありません。例外は、ウーロン茶くらいでしょう。なお、キムチは、週プレNEWSの記事、中国キムチに追いやられ世界一の座を奪われた韓国キムチが辛酸をなめている!にもあるように、もう世界一の産地は韓国でも、北朝鮮でもありませんが、中華料理というイメージは、あまりないと思います。きのうの記事で触れた文化遅滞ではありませんが、イメージが変わっていくことも、なかなかなさそうです。

「数年前の冷凍餃子の問題や、今年に入ってからの大手ファーストフード店のお肉の問題など、中国食材の衛生管理問題は驚くような事件があるわよね。」と書き出されます。事件は事実ですが、わが国でも、似たようなことは起きています。昨年だけでも、群馬での冷凍食品マラチオン混入事件や、バーガーキングやピザハットなどの「バカッター」事件などがありました。それでも、FRIDAY 8月22・29日号(講談社)によれば、あの農薬混入犯は、もう「本当にやりすぎたと思っています。」と言って深く反省しているようですし、まだ日本のほうが、悪質性が低いとは言えそうです。そして、筆者は「明らかに中国食材は健康被害の大きい食材が多い」と断言するのですが、つまりは程度の問題にすぎないと返されたら、どう反論できるでしょうか。「日本は食品の衛生管理についての法律が早い時期に定められている」とはいっても、法律自体に犯罪行動を止めきれる力はありません。CODE インターネットの合法・違法・プライバシー(L. レッシグ著、翔泳社)を読みましょう。

そして、さまざまな事例が並べられて、「肢体が奇形した子ども」という、変形した表現まで使ってあおられます。ですが、輸入食材にたよる外食産業へのフォローが続き、「疲れているときや体調が悪いときは、身体の抵抗力も弱まっているから、特に食品の害を受けやすいわ。そういうときは、念のために中国食材は避けた方がいいかもしれないわね。」と、まるでもう死ぬかのような不安から、そこまでの心配はいらないような余裕へと、トーンダウンしてみせます。ふと、VOW王国 ニッポンの誤植(宝島社)の151ページを思い出しました。