生駒 忍

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10代の若年性認知症と沖縄での二転三転

きょう、タウンニュース泉区版に、精神科医との懇談会 テーマは認知症という記事が出ました。

「いつ誰に起こってもおかしくない「認知症」について考える懇談会が10月15日(水)、泉区役所1階の福祉保健センターで開かれる。」と書き出されます。若年性認知症というものもありますが、あの「若年性」は高機能自閉症の「高機能」と同じで、一般的な認知症の好発年齢に比べれば若いという意味なので、若者に起こることはないと誤解して、「いつ誰に起こってもおかしくない」とは大げさだと思った人もいるでしょう。厚生労働省による、若年性認知症の実態等に関する調査結果の概要及び厚生労働省の若年性認知症対策についてを見てください。この調査の年齢区分で最も若い18・19歳でも、人口10万人あたりの有病率は0.8人、ごく低い値ですが、ゼロではありません。女性ならありえないとも言いきれません。たとえば、厚労省の調査対象外であった奈良県による、奈良県若年性認知症に関する実態調査事業 報告書(概要版)には、これは疑い例も含むのではっきりはいえませんが、あの小さな県で、有効回収率が6割台でも、20歳未満の区分に、男女ともいることが報告されています。ですが、認知症に限ったことではありませんが、もっと本質を見るべきで、年齢だけ取りだすことに意味はうすいという批判もあるかもしれません。そういえば、ピアヘルパーハンドブック 友達をヘルプするカウンセリング(日本教育カウンセラー協会編、図書文化社)には、「「父が上京してくるというのですが,私は父に会いたくないのです」というヘルピーに「お父さんの年齢はいくつですか」という質問はつまみ食いです。」とありました。

「会場では「認知症についてもっと知りたい」「専門家に聞いてみたいことがある」といった悩みに応じる。」、これはありがたいと思います。もっと知りたいという思いにこたえるのはもちろんですが、専門家がその場で答えることを明示したイベントは、意外に少ないものです。特に保健、福祉、心理関係の講演会では、質疑応答の時間を使って、その講演の主旨や主張との対応が強くはない、自分や家族の困りごとを語りだす方をときどき見かけますが、ぜひこういう機会を使ってほしいと思います。それとも、あの手の方は、相談料金のかからないやり方で専門家に反応をもらうことではなく、たくさんの「仲間」が集まって、耳をかたむけてくれると思える中で語ることが目あてなのでしょうか。

もちろん、プロやセミプロ、パラプロフェッショナルであっても、より上の専門家にたずねたいという思いは、なくなることはありません。典型的な場として、スーパービジョンがあります。また、講演会にも、意識してそういう質疑の時間をとるものがあります。たとえば、神奈川学習障害教育研究協会による第2回めんそ~れ!子どものこころセミナーinおきなわは、プログラムの最後に、「質疑応答「30分1本勝負!今年は時間を守ってしっかり答えます!」」をおいています。なお、このセミナーは、当初は北中城村中央公民館、続いて恩納村ふれあい体験学習センター、そしてきょう、いったんその取りけしのみが告知されて、すぐに読谷村社会福祉協議会総合福祉センターへの変更が発表される、落ちつかないようすを見せてきました。ですが、おそらくこれで確定で、沖縄商工会議所ホールの出番もないと、私はみていますが、どうでしょうか。