生駒 忍

記事一覧

上智大学第二回ダイバーシティ講座の記事

1か月ほど前に、上智大学四谷キャンパスにて、上智大学の創立100周年記念事業でもある、第二回ダイバーシティ講座が開催されました。第二回は、有名な特例子会社であるパソナハートフルの白岩忠道取締役による講演でした。なお、上智大学のFacebookアカウントでは、パソナパーソナルという会社の方だと紹介されました。登記簿などを確認してはいないのではっきりとは言えませんが、そのような会社は実在しないようですので、大学がどこかでまちがってしまったのではないかと思います。

それから2週間もしないうちに、上智大学通信の最新号である378号で、写真つきの記事として取りあげられました。ウェブ上のPDFファイルの場合は、写真が荒くぎざぎざになっていて、顔だけが特にモザイクをかけられたように感じられるのは顔認知の特異性の反映のような気がしますが、私の手もとにある紙の現物では、きちんと表情がうかがえます。会社名もパソナハートフルと書かれていて、講演の内容はやはり、障害者雇用の現状と今後に関してだったようです。

この方の講演ですから、きちんと説明をしていたはずで、聴きに行った方は理解が深まったものと思います。ですが、あの短い記事では、「関わらず」の誤用はともかくとしても、障害者雇用率に関して誤解をするかもしれないところがありますので、補足しておきたいと思います。

法定雇用率は4月に変わるのですが、3区分とも一律に0.2%ずつ上げる変更ですから、2.0%になるというのはそのうち民間企業に関してです。また、企業就労している障害者の76%が身体障害であるとありますが、これも民間企業のみでの数値だと思います。実雇用率として述べている1.69%という数値の出所と考えられる、厚生労働省が発表した平成24年障害者雇用状況の集計結果には、民間企業全体で3障害を分けたデータはありますので、計算してみると76.1%になり、一致します。ですが、特に公営企業について障害の種別ごとに集計したデータは見あたりません。公表されていないそういった部分を何らかの手段で手に入れていたり、国とは別に独自の調査を行って集計していたりという可能性は低いですので、この記事で単に「企業」と書かれているのは、民間企業のことでしょう。そうは言っても、公営企業での3障害の比率が民間と大きく異なるとは考えにくいので、数値自体はだいたい合っているはずと思います。もしかすると、そういう前提をおいての公私こみの推定値として、あの数値を示したのかもしれません。