生駒 忍

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「ありのままの私を見てほしい」の恋愛心理

きょう、女子SPA!に、結婚が遠のく、アラサー独女の“3つの口癖”という記事が出ました。取材に基づいての「つい口にしちゃう3大口癖」の紹介です。

そのうち、1番目と3番目とは、似たものです。「どっかにいい人いない?」と、「出会いがないんですよねえ」です。あわせて使われることも多そうです。ですが、同じではありません。性差があるようです。1番目は「女同士で飲んでいて、ひとしきりグチったあとに出るセリフがこれ。」、3番目は「女性でも男性でも、最後にタメ息とともに出るセリフ。」です。1番目について、記事では同類の口ぐせとして紹介されたものも、女性用のようです。試しに、性別を入れかえてみると、「いい女はみんな結婚しちゃってる」、「独身のいい女はみんなレズ」、男性の口から聞きそうにないことばになります。

2番目は、方向性がまた別です。「ありのままの私を見てほしい」です。個性、そのまま、ありのままをよしとする近年ありがちなメッセージを、本気で信じてしまったのでしょうか。異性によく思われるように変わる努力ではなく、よく思われない現状を卑下するように見せながら、そのままでいいと言わせようとする、ロスジェネ心理学 生きづらいこの時代をひも解く(熊代亨著、花伝社)でいう「駄目な俺を受け容れてくれ症候群」のようです。あるいは、お見合い1勝99敗(吉良友佑著、PHP研究所)の法則25の、条件明示のスイーツ好き女性、フィギュア好き男性のような態度なのでしょうか。その2例は、すなおといえばそのとおりなのですが、理系のための恋愛論 Season 09 あなたは空気が読める人ですか(酒井冬雪著、マイナビ)の「気になる相手に、自分のことをありのまま全て話すと失敗する?」の視点も、そういうことには重要でしょう。Q&A 思春期のアスペルガーのための恋愛ガイド(G. ウーレンカム著、福村出版)にも、何でも正直に言わないほうがいいというお話がありました。