生駒 忍

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私立大学新入生の家計負担調査と性的バイト

きょう、ゲンダイネットに、親は気をつけろ! 娘の「風俗アルバイト」を見抜く方法という記事が出ました。

「私立大学教職員組合連合の最新調査によると、首都圏の私大生が受け取る仕送り額は8万9000円で9年連続で最低を更新。」とありますが、まず、ここで話題にされた調査は、東京地区私立大学教職員組合連合による「私立大学新入生の家計負担調査 2013年度」だと思います。ホームページ掲載版で、概要を見ることができます。私立大学教職員組合連合は、その東京私大教連を含む37都道府県にある組織による連合体ですので、また別の団体です。「首都圏の私大生」とありますが、データは関東の14大学・1短大の学生のものです。ホームページ掲載版に「干葉」とあるのは千葉県のことだと思いますが、群馬県には対象校がありません。今回は日本大学と日本大学短期大学部とが離脱しましたし、武蔵野美術大学が抜けたり筑波学院大学が入ったりと、対象校は固定ではありません。9年連続更新は、データがある1986年からの範囲でのことで、その後のバブルのために1986年がずっと最低だったところを、2005年調査で下回ったところから数えたものです。

「(独)日本学生支援機構の調査によると、学生の収入は「家庭からの給付」が0.9ポイント減る一方で、「アルバイト」は0.8ポイント増になった。」、これは平成24年度学生生活調査の、昼間部の学部生のデータのことでしょう。こちらは、1年おきに行われていますので、増減は平成22年度のものと比べての、2年の間の差分です。先ほどの東京私大教連のものと同時期ではなく、平成24年度調査はそれの半年ほど前です。

蛯名泰造というライターによる、「同じ種類のブランドバッグが部屋に2つあるのもキャバ嬢の特徴。2人の客に買ってもらい、ひとつを質屋で換金するのです」という指摘があります。二つを入手するのはあまりに有名なお話ですが、片方を換金するのですから、部屋にずっと両方があるわけではないはずです。それでも、二つあることは、そういう仕事をしない学生にはまずありえないことなので、一瞬でもそういうことがあったらうたがうべきという主張なのだと思います。二つがそろうのは、文字どおりの一瞬ではなく、少なくとも昼田とハッコウ(山崎ナオコーラ作、講談社)のアロワナ書店の感覚での「一瞬」くらいの間はあるはずでしょう。

「デリヘルや性感エステを始めると「1時間半」を「90分」と表現するようになる。」とあるのは、これ自体が正しいかどうかは知りませんが、もし正しいとしても、特異度の低い手がかりだと思います。大学はその業界以上に、時間の単位は90分で組まれています。そして、「90分授業」とは言っても、「1時間半授業」とは言わないように思います。ですので、大学に通うだけでも、90分という表現になじんでいくはずです。「ストレス発散のために、ネットショッピングの回数が増えるのも風俗嬢に見られる現象です」、これも同様に、特異度が低いと思います。私も、昔よりネットショッピングの利用が増えました。