きょう、朝日新聞デジタルに、船出のファンファーレ 大阪市音楽団、自立の春という記事が出ました。
橋下改革で民営化されてなお、名前が「大阪市音楽団」なのは、私はやや引っかかるところです。助成金は受けるものの、大阪市のものではなくなったのに、そのような誤解を生みやすい名前だと思います。バーミンガム市交響楽団のようなイメージなのでしょうか。もちろん、神社本庁など、公のもののような名称の民間団体は、ほかにもあります。また、愛着のある名前で、「市音」の略称も保ちたい、変更するといろいろとお金がかかるといった事情もあるでしょう。広報がダメだから社長が謝罪会見をする!(城島明彦著、阪急コミュニケーションズ)によれば、松下電器産業からパナソニックへの社名変更では、300億円がかかったようです。誤解が起きても、大きな不利益をこうむるとも考えにくいですし、近い将来に、まともな選挙で市長が代われば、誤解が誤解でなくなる日がくると考えているのかもしれません。そのときには、お給料も今の約3倍に戻るでしょうか。「仲間の団員も6人が去った。」とありますが、3倍なら帰ってくるでしょうか。
記事には、「一方で、希望もある。」とありますが、やはり心配なのは、お金です。同じく朝日新聞デジタルにきのう出た記事、大阪)市音楽団、再スタート苦戦 いまだ半分が空席によれば、きょうの公演のチケットは、この時点で半分以上も売れのこったままだったそうです。東フィルと新星日響との合併のときは、あれも財政的な不安が背景にあってのことでしたが、合併記念のコンサートは満席で、サントリーの1階席ですばらしい船出に立ちあえたのを思い出すと、こちらはとても心配です。今回の記事は、その公演の直前に出たものですが、結局のところ、「船出のファンファーレ」は、残響たっぷりになってしまったのでしょうか。市音の公式ウェブサイトには、今のところ開催報告は出ていません。民営化してからは、サイトが更新されたようすもありません。「慣れない事務や広報作業にも苦戦している。」とありますので、広報としてのサイト管理も自前で、苦戦中なのでしょう。市音を支援したい方が増えることを願いたいものです。サイト内には、寄付・ご支援、寄付について、賛助会員(個人・法人)といったページがあります。民営化以前の情報のままで、今はもう違うのかもしれませんが、関心のある方は、ぜひご検討ください。