生駒 忍

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佐村河内、ASKA、小保方、それぞれの対応

きょう、報知新聞社のウェブサイトに、佐村河内氏に新弁護士 新垣さん提訴へ入念準備という記事が出ました。

「氏」と「さん」との使いわけのルールも気になりますが、「今後、提訴に向けて、可能かどうかも含めた入念な準備を進める」とされたところに、注目したいと思います。あれだけ訴えると息まいたいきおいのままいくのではなく、一気にブレーキが踏まれた印象です。そういえば、一連の「アンネの日記」損傷事件の犯人とみられる人物について、書店での張り紙という別件逮捕とも思える案件で挙げるほど前のめりだった捜査も、msn産経ニュースにきょう出た記事、本の切れ端、ネット履歴なし 無職男、証拠隠滅図る?にあるように、「捜査1課は刑事責任能力の有無も含めて慎重に捜査」と、一転してしりぞいた印象となり、事件を「右傾化」に関連づけて、あるいは関連づけようとヒートアップした人々もだまってしまいました。

さて、「可能かどうかも含めた」ところからですので、不可能と判断したのでしませんと宣言して、あるいは何も言わずにうやむやで終わる可能性もあります。訴えると宣言しておいて訴えないのは、脅迫罪になるのではと思う人もいるかもしれません。弁護士ドットコムに2か月前に出た記事、義舅が主人を訴えてやるという言葉は脅迫?を見ると、あの記者会見もこの程度の範囲内でしょうか。東スポWebに先週出た記事、佐村河内氏「逆ギレ提訴宣言」の隠れた狙いでは、警察関係者が「相手に『これ以上、余計なことしゃべるなよ!』と圧力をかける意味」との見方を示しましたが、わざわざ告訴すれば、どっちもどっちの泥沼ととられて、相手の思うつぼでしょうから、ゴースト側は流すだろうと思います。

一方で、清原騒動でまた蒸しかえされぎみのASKAの疑惑では、反応せずに流しきるのかと思ったら、一息ついてから否定コメントが出ました。ロケットニュース24の記事、長らく沈黙していたASKAさんが「黒い噂」の報道を全面否定 「違法なことは一切やっていません」に、「事実無根であると訴えているのだが、それなら法的手段をとるべきではないのだろうか?」とあるように、相当なダメージをあびたのに法的手段なしでは、実際は黒なのだろうという声もよく見ましたので、白ならあの対応は、ミスだったと思います。

結局のところ、佐村河内は訴えるのでしょうか。長年お世話になったゴーストをうそつきあつかいして、ですが第三者の証言がとれない二人だけのところを水かけ論のかたちに見せるところまでにとどめるのでしょうか。いじわるばあさん 4(長谷川町子作、朝日新聞出版)の75ページ、たたみ屋にデマでやり返すお話のレベルに見えては見ぐるしいですので、どこかですっきりさせてほしいところです。ですが、世間ではもう、作曲家ではなく科学者で、特徴的でうたがわしい人物がじわじわと注目を集めて、佐村河内騒動は過去のものとなりつつあります。曻地三郎への感謝状の記事の最後のところで、初期のSTAP疑惑騒動に触れましたが、あれから1か月、当人が雲がくれを続ける間に、風はすっかり変わったのでした。