きょう、福岡女学院大学心理学科Todayに、福岡女学院大学心理学科協力の子育て支援が高島市長から表彰されました!という記事が出ました。まずは、表彰おめでとうございます。
ですが、表彰されたのは誰でしょうか。タイトルや写真のキャプション、記事の1文目からは、「みなみん」という子育て支援の活動が、市職員に高く評価され、市長から表彰を受けたように読めます。ですが、表彰状では、「南区保健福祉センター 地域保健福祉課」が受けたことになっています。役所の中の互選で、役所の部課を表彰したようです。そして、市の位置づけは、記事で紹介されたきのうの読売新聞記事の切りぬきを見ると、よくわからなくなります。導入部には、「区役所に訴えた一人の母親の思いに市が応え、昨年5月に設置」とありますので、市が設置者であると考えられますが、記事の中ほどでは、「同区の福岡女学院大に臨床心理士を紹介してもらったり、学生ボランティアを派遣してもらったりして、全面的に支援」と、市ではないところによるものを、市も外から応援したような書き方です。一方で、今回表彰された地域保健福祉課による文書、発達が気になる子どもと親のためのサロンを開設しますを見ると、「南区において,同じ悩みを持つ保護者同士が気軽に集い,専門スタッフによる相談や情報交換ができるが場(サロン)“みなみん”を開設します」とあって、この主語は市の側のはずです。なお、福岡女学院大の関与については、「サロンの運営あたっては,福岡女学院大学や関係機関の協力を得て学識経験者等の助言・支援を受けながら実施します。」とあります。
この心理学科Todayの記事で気になったのは、表彰の時期です。タイトルを見ると、速報のように感じますが、表彰状の日付は昨年12月27日ですので、2か月も前です。きのうの読売の記事で表彰を思い出し、表彰状を持っての写真撮影をして、この記事にしたのでしょうか。あるいは、市長が表彰状をわたしたのはつい最近でも、表彰状もお役所の書類ですので、お役所的な事情で日付はこう書かなければいけなかったのでしょうか。そういえば、ラクに書けて通る企画書 77のルール(富田眞司著、すばる舎)に、書面に入れる日付の重要な意味の説明がありました。
記事では、ここが発達障害がらみの集まり、表彰状の表現でいう「発達が気になる子どもと親のためのサロン」であることには、言及されません。「地域の子育て支援」「行政と大学の協力関係のよいモデル」「心理学科の学生たちの学びの場」といった、大学が外部とつながる活動として位置づけます。ですが、学外者からは、発達障害がらみのところに大きな価値を感じるでしょう。読売の切りぬき記事の最後にある事例も印象的です。宮古毎日新聞のウェブサイトにきょう出た記事、生き方の基準が確立していない現代人は、全体的に意味のつかみにくい論考で、「夫婦の虐待、子どもの虐待、自殺、ひきこもり、不登校、いじめ等の問題も、人が心理的欲求が十分に満たされておれば、その人は幸福であると言えます。」とあるのも理解しにくいですが、読売の事例では、育児サークルの満たされない体験から、親がいったん引きこもってしまい、不幸だったと思います。そして、この「みなみん」に救われたようです。