生駒 忍

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名古屋市教委の常勤スクールカウンセラー

きょう、毎日新聞のウェブサイトに、名古屋市教委:「子ども応援委」設置 臨床心理士ら常勤という記事が出ました。いじめ等への対応の一環として、事務室を11か所に設置して、それぞれ常勤3名、非常勤1名ずつを配置するそうです。

「12日発表の2014年度一般会計当初予算案に3億1800万円を計上した。」とあり、人口規模で日本で4番目の大都市だけあって、なかなかのお金のかけ方だと感心しました。ですが、やや気になりましたので、少し調べてみました。きょう発表された平成26年度予算の概要(草案)では、学校教育関係経費120億円の中では、名古屋市立大への運営交付金の次に規模が大きい「教育指導」23億円弱の中に、「なごや子ども応援委員会の設置」が入っていて、これ単独の配分額は不明です。そこで、参考として平成26年度当初予算財政局案を確認してみると、「なごや子ども応援委員会の設置」単独の予算規模はわかりませんが、これを含む「いじめや問題行動など児童生徒に関わる諸問題への対応」全体が一般会計で1億7600万円で、記事の金額の半分にも届きません。そして、それを含む4事業をあわせた「学校におけるマンパワーの拡大」の予算要求が、一般会計で計3億900万円で、これが報道された金額に近いようです。

「スクールカウンセラーら常勤職員3人と警察出身者を充てる非常勤の「スクールポリス」1人の計4人ずつを配置する。」とあり、スクールポリス以外は「常勤」です。これは、委員会の所属としては常勤ですが、ふだんは委員会の事務室に3名ともいるのではなく、エリア内の各校での援助活動を、非常勤的にかけもちするのだと思います。「臨床心理士などの資格を持つ常勤職員が子供たちの問題の兆候を探し、関係機関との調整に当たるなどの業務に特化することで、教員の負担軽減も図る。」とありますので、現場を回るはずです。なお、「関係機関との調整に当たるなどの業務」は、おなじみのロングセラー、学校心理学(石隈利紀著、誠信書房)では「心理教育的援助サービス」の射程ですが、そういう業務は本質的に、カウンセラーというよりはソーシャルワーカーの領分です。予算の概要(草案)には、「常勤のスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等で構成し、児童生徒に関わる諸問題への対応を行う「なごや子ども応援委員会」」とありますので、SSWがきちんと分担するものと思います。そこで、「常勤職員の公募を12日に始めた。」のでしたら、募集の書面で業務内容を確認できるだろうと思ったのですが、職員採用情報メニューからは、それらしいものが見つかりませんでした。

私としては、より興味があるのはスクールポリスです。アメリカではもう定着した存在のようですが、わが国にもなじみますでしょうか。少年犯罪と闘うアメリカ(矢部武著、共同通信社)にあるような決死の活躍は、日本ではさすがに考えにくいでしょう。ですが、学校保健安全法26条の「加害行為」への対応は、文部科学省の学校安全の推進に関する計画についてでも主な関心の外ですので、スクールポリスが別の角度から、学校、子どもの安全、安心を守ることを期待します。鸡西新闻网にきょう出た記事、孩子心理的四大"需要"の2番目にもあるように、子どもの学びに安全は不可欠なのです。