生駒 忍

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「よいおとしを」と書かれたおせち等の配布

きょう、茨城新聞のウェブサイトに、心穏やかな正月を 土浦、児童ら高齢者におせちという記事が出ました。つい、「児童ら高齢者」を読みまちがって、「老人だけど子役なのかい」を連想してしまいましたが、安否確認を兼ねて、小中学生が高齢者に料理を配ったというニュースです。

配布対象者は、どのように決めたのでしょうか。「市内約125世帯」と、はっきりした数のようでそうでないところも気になりますが、地盤沈下のいちじるしい土浦ではあっても、高齢者のいる世帯がそれだけのはずはありません。計145食ということは、大半の配布対象世帯には1食ずつになりますので、安否確認の必要性が高そうな状態の世帯をピックアップしたのかもしれません。

「おせち料理は、くりきんとんや黒豆など18品。」と、本格的なようで、そこに「市立土浦二小の3年生」によるかけ紙がかかっているそうです。ですが、「「ふじさんのゆめをみてさいこー」「よいおとしを」などのメッセージ入りの楽しいイラストが描かれた。」というところには、少しおどろいてしまいました。土浦第二小学校の先生方は、これでよいと判断したのでしょうか。わかりやすい日本語の乱れである「さいこー」もそうですが、年内に届けるのが現実ではあっても、暮れのあいさつである「よいおとしを」は、よいのでしょうか。この社協では、よくあるおせち配布だけではなく、年越しそばも合わせるところがユニークですが、この記事の書き方では、「よいおとしを」もおせちのほうにかけてあるはずです。作りおきではあっても、新年らしいものに旧年をふり返らせるメッセージは、落ちつきません。どんな世代でも、どんな人生でも、せめて年の始めくらいは、前を向きたいものです。そういえば、東京カレンダー 2014年2月号(東京カレンダー)では、AKB48の小嶋陽菜が、「振り返らないタイプ」だと言っていました。幸せな結末(大滝詠一)では、「振り返るのは終わりにしよう」と歌われていました。きょう、それを歌った大滝の訃報が入りました。ご冥福をいのります。