生駒 忍

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渋滞発生状況を表す二つのグラフ

朝日新聞の赤beに、「いまさら聞けない+」というコーナーがあります。けさは、高速道路の渋滞を取りあげていました。前半の一般論がやや退屈でしたが、サグ部の影響が大きいことと、それへの対策のこころみとが、わかりやすく紹介されていました。

よくわからなかったのは、記事上部にあった二つの円グラフです。渋滞がどのようなところで起きているかの割合について、2002年と2009年とのデータを示したものです。もちろん、どちらのグラフも見やすくできていて、配色の好みはあるかもしれませんが、それぞれが表すもの自体は、誰にでもわかるようになっています。ですが、二つを並べてある理由は、よくわかりませんでした。サグ部の影響が大きいことは、どちらか片方だけあれば、じゅうぶんにわかります。二つを並べているのですから、見くらべることが大事なのでしょうけれど、そこからわかるのは、7年の間にサグ上り坂部の相対的な割合が増え、料金所部での渋滞が大きく減っていることです。料金所部の減少は、ETC利用と、料金計算機能のあるカーナビの普及とが原因だと考えてよいと思いますが、どちらの話題も、本文にはまったく出てきません。サグ上り坂部のほうは、後半のテーマではあるのですが、7年の間に大きく増えたことには、まったく注意が向けられていません。最近増えた背景が述べられるわけではなく、昔からずっとあるような理由しか話題にされていません。あるいは、割合の変化ではなく、昔から変わることなく、サグ部の影響が一番大きいことを示したかったのでしょうか。そのために、間が7年しか空いていないデータを並べても、あまり説得力がないように感じます。結局、2009年のグラフだけを載せれば、この記事の理解のためにはじゅうぶんなはずです。グラフひとつではスペースが余ってしまうので、埋め草として足したのでしょうか。でしたら、どう解釈させたいのかがわからないグラフよりも、渋滞に巻きこまれたドライバーがいらいらしているようすのポンチ絵でも入れたほうが、親しみやすくなったと思います。