生駒 忍

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もうクリスマスという「クリスマスの恐怖」

今年も、クリスマスがやってきました。やっとという方も、もうという方もいるでしょう。私は後者のほうで、今年もあっという間だったと、「天職」がわかる心理学(中越裕史著、PHP研究所)でいう「クリスマスの恐怖」です。あるいは、この1年の質が、クリスマスに現れるという考え方もあります。かわいそうだね?(綿矢りさ作、文藝春秋)での、「通信簿」説でしょうか。

今年も、最後くらいはよいことをというわけではないと思いますが、慈善を行う人が出ています。歳末たすけあい運動はもちろんですが、クリスマスと関連づけての寄付もあります。msn産経ニュースにきょう出た記事、横浜市の3区役所にランドセル24個 文具セットも 「伊達直人」と「プリキュアサンタ」からによれば、今年は伊達直人が出おくれて、クリスマス直前となったようです。ですが、ここ数年の伊達直人運動や、震災の影響はあるものの、日本ではなかなか、寄付文化が広がらないと言われています。「上から目線」の時代(冷泉彰彦著、講談社)が指摘するように、寄付が「偽善」あつかいされることも、定着しない一因でしょう。そんな中で、ハフィントンポスト日本版にきょう、クリスマス・シーズンに考える、2014年の寄付市場の行方という記事が出ました。タイトルとは異なり、来年のゆくえについては、直接にはほとんど取りあげられていない記事です。例外的に、クラウドファンディングのことが、来年の関心へつなげられています。伊達直人つながりで、社会的養護に関して挙げるなら、ゆめさぽがあります。先月4日付の福祉新聞に、千葉才子という人による紹介記事が出ましたので、そこで知った方も多いと思います。

ですが、クリスマスはお金がかかるので、なかなか寄付には回せない時期だという方もいるでしょう。以前に日本的クリスマスの起源に関する記事で書いたような、特別な日として特別にお金をかける日になっていることは、誰もが認めるところだと思います。NewSphereにきょう出た記事、ケンタッキー買うのに2時間待ち!? 海外がみた日本の不思議なクリスマスでは、海外でもおなじみのKFCが、日本ではクリスマスを抜け目なく商業化したことが書かれています。本物のサンタクロースはフィンランドにいて、アンパンマンのクリスマス(やなせたかし作、フレーベル館)では、氷から救いだされたサンタクロースが、アンパンマンたちに本物ははじめて見たと言われますが、今ではどこのカーネル人形も、あたりまえのようにサンタクロースへ化けています。また、パーティ・バーレルの高さも話題にされています。実はこれは、予約して入手する特別仕様なのです。となりの国のネット語で言うと、高端大气上档次、略して「高大上」です。百度百科にきょう出た記事、2013互联网哈哈榜之1:十大网络流行语では、年間3位になっている用語です。

そんな風潮に振りまわされない若者も、もちろんいます。バブル世代から見たら、草食化、覇気がない、などと言われるかもしれません。そういえば、きょうの沖縄タイムス+に、[大弦小弦]「今の若者は…」という長老の嘆き…という記事が出ました。うまくまとまってはいなくて、週刊文春 11月7日号(文藝春秋)の宮藤官九郎の連載にある、子どもに「話ぐちゃぐちゃだな」と言われたお話を思い出してしまいました。また、冒頭のお話は、ここに書かれたとおりのこともあったのかもしれませんが、私が知る範囲では、ギリシャでもローマでもなく、「石版」でも石板でもなく、木綿以前の事(柳田国男著、岩波書店)に伝聞情報として書かれている例のはずです。また、最後に「社会を遠ざけ「どうせ、自分は」とうつむく彼らへの支援策は、すぐ足元にある。」とあるのは、救いがあるのですが、でしたらぜひその足下から、支援をすすめてほしいと思います。「農家の草取り」も支援になるという主張を登場させるのでしたら、まずは沖縄タイムス社で、ひきこもりの方々を雇用して、記事の草とりでもさせてはいかがでしょうか。