生駒 忍

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高度な知性をもったイルカが登場する作品

きょう、ウォール・ストリート・ジャーナル日本版に、イルカはあなたが思うほど賢くないという記事が出ました。Wall Street Journalの記事、Dolphins Aren't as Smart as You Thinkを和訳したものです。

よく訳されていてありがたいのですが、やや気になるところもあります。「アフリカ灰色オウム」とあるのは、うっかり逐語訳してしまったのだと思います。アレックスと私(I.M. ペパーバーグ著、幻冬舎)の、あのアレックスです。

この記事が行きすぎをいましめている、イルカが知的に高いというイメージは、反捕鯨運動につながる政治的なところもありますが、サブカルチャー的な方向でも、たびたび活用されてきました。有名なのは、銀河ヒッチハイク・ガイド(D. アダムス作、河出書房新社)でしょう。人間は地球上で3番目にかしこい存在で、イルカは2番ということで、しかも週刊パーゴルフ 10月15日号(学研マーケティング)で伊藤誠道が言っていたような、2位以下はもう同じようなものというわけではなく、イルカのほうは地球がこわされる公示を知っていたのでした。また、日本でも、知的なイルカは、さまざまな分野に見ることができます。星をみるひと(ホットビィ)では、主人公はイルカ族との共存を選ぶことで、「ふるいこころのおり」がこわされ、ハッピーエンドを手にすることができます。デビルサマナー ソウルハッカーズ(アトラス)に登場するスナッピーは、「ボクに魔法は効かないっキュ!」などとうそをついて、だまそうとしてきます。そして、小松崎茂による「イルカがせめてきたぞっ!」は、イルカが牙をむいたときのおそろしさが、小さい子どもにもよくわかる仕上がりです。おとなの私は、後方で火をふく戦車のデザインにも心ひかれます。