生駒 忍

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要支援者と要介護者との合算グラフでした

オヤノコト.マガジン第10号は、オヤノコト.netの告知ではいつまでも発行予定のままですが、実際には昨年のうちに出ています。

その9ページに、「年代別人口、要支援・要介護者の割合」と題したグラフがあります。「75歳から認定者が増え始め80歳以上では約3人に1人が要介護に!」と、あおりぎみのキャプションつきです。「約3人に1人」の部分は、フォントを大きく、文字色は濃いピンク色にして、下に波線も引いて、とても力の入った強調です。しかし、グラフそのものでは、80~84歳が28.7%、85歳以上が58.0%となっているので、キャプションとはうまく対応しません。そこで、気になって調べてみました。

厚生労働省が発表した介護給付費実態調査月報(平成23年12月審査分)のデータを使っているようですので、ながめてみたところ、答えがわかりました。グラフはタイトルにあるように「要支援・要介護者の割合」で、キャプションのほうはというと、グラフに表されていない要介護のみの割合について述べていたのです。ですので、どちらも書いてあるとおりで、うそではなかったのでした。同じ話題を扱っているはずという常識的な見方にしばられて、私が勝手に混乱しただけのようです。

なお、グラフの下に「80~84歳で約3人に1人、85歳以上になると2人に1人以上、実に6割近い人が要介護状態になっていることがわかります」とあるのは、正しくありません。割合はそれぞれ「約5人に1人」「2人に1人近く」「5割近い人」のようにしないとおかしいですし、このグラフからわかることでもありません。