生駒 忍

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ルール違反に見える健康心理学会の継続助成額

きょう、日本健康心理学会研究推進委員会のブログに、約2か月ぶりに新しい記事が投稿されました。今年度の研究部会への助成決定のお知らせです。選ばれた研究部会の皆さん、おめでとうございます。

今回は、「研究部会」を名のる2グループ、「研究集会」を名のる2グループ、「研究会」を名のる1グループの計5グループが助成を受けることになり、いずれも10万円ずつを受けとります。日心の研究会制度が、上限は10万円ということになっていますがその何分の一かにしかならないようになり、今年は募集回数を半減させましたし、それもすでに採否が決まり通知されているのに、ウェブサイトにある助成対象のリストは更新されないままという、右肩下がりの感があるのに対して、こちらの学会のほうは意欲的で何よりです。4グループは昨年度からの継続で、子どもと大人の発達支援研究集会のみ、新規の助成となります。

その継続のあつかいですが、学会のルールに反してはいませんでしょうか。この記事のひとつ前の記事を見ると、1(4)には助成金額について、「前年度に助成を受けたグループが引き続き助成を受ける場合は5万円以内」とあり、金額のところは下線で強調されています。ところが、継続の4グループに、どこにも10万円ずつわたすというのです。もちろん、非公開の内部規定があって、この1(4)を無効化できるようになっているのかもしれませんが、とても奇妙に思えます。この4グループはすべて、申請書の要求経費の欄に、1(4)を読まずに「100千円」と書いていたのでしょうか。それとも、5万円かそれに満たない適正な請求に、学会側が非公開の規定か何かを使って、「倍返し」したのでしょうか。もし後者でしたら、公表されたルールに反するお金は受けとれないと、超過分を返納してすじを通すグループは出るでしょうか。それとも、想定外のお金までよろこんで使いきって、健康心理学の発展につくすでしょうか。林修の仕事がうまくいく「話し方」講座(宝島社)が取りあげたまちがいの例に、「望外の幸せ」を「法外の幸せ」とするものがあったのを思い出しました。