きょう、新華経済に、韓国人の「人と張り合う心理」、外国人との比較で明らかに―中国メディアという記事が出ました。The Journal of Neuroscience第33巻に掲載された、Neural evidence for individual and cultural variability in the social comparison effectという論文の内容紹介です。
文化差の認知神経科学的研究として、興味深い結果を報告していると思いますが、私がそれ以上に注意をひかれたのは、その知見が伝言ゲーム状態でこの日本語記事まで到達したことです。冒頭の段落は、「韓国の朝鮮日報が、韓国人が他人の視線を気にしすぎることが心理実験で明らかになったと報じた。中化新網が伝えた。」となっています。すると、J. Neurosci.の論文を、朝鮮日報が取りあげ、それを中化新網が報じ、そして新華経済の日本語記事になったと考えられます。この展開に、心理学者なら想起の心理学 実験的社会的心理学における一研究(F.C. バートレット著、誠信書房)を思いうかべるでしょう。たしかに、記事を見ると、リレーの過程でくずれたのではないかと思われる印象があります。説明のあちこちがややぎこちないのも、単に浦上早苗という人の腕の問題ではない気もしますし、もっとわかりやすいのは、4名の連名による論文だったのが、最初と最後の2名の研究のようになってしまっている点です。
そういえば、同じくきょう、证券之星という経済ニュースサイトに、女生施虐被追捕 被脱光逼拍性虐待MV现场大曝光(图)という記事が出て、タイトルからしてあまりの悪趣味にぎょっとしましたが、この記事は吉和网の女生施虐被追捕 被逼拍性虐待MV皮鞭抽打屁股の転載でした。その記事には、今度は「来源:人民网 大众网」とありました。また、画像がいかにもあちこち回されてきたように見えるので、ほかを探してみると、たとえば龙虎网の7名女生将女同学脱光暴打 逼迫喝马桶水被追捕には、また別のルートを通ったと思われる画像があります。一方、人民网の女生遭暴打喝马桶水被拍视频 7名施虐女生被追捕は、画像のない記事で、それの転載元である北京晨报の广东7名施虐女生被追捕にもありません。そして、これらが共通して出所として挙げているのが羊城晚报ですが、その記事は金羊网の四年前施虐同窗录下视频炫耀 河源七女生今被追捕になるようです。