きょう、OKWaveに、認知心理学についてという質問記事が立ちました。とても概括的で、内容の見当がつきにくいタイトルですが、のぞいてみると、ピンポイントな渋い話題が出ているので、落差におどろきます。
私は、春学期の救済課題のようなにおいを感じましたので、けちと言われるかもしれませんが、この方に直接回答するつもりはありません。ですが、あのキーワードを見れば、何を見ればいいのかは、わかる方には一瞬でわかるはずです。認知コントロール 認知心理学の基礎研究から教育・臨床の応用をめざして(嶋田博行・芦高勇気著、培風館)です。この本だけがあまりにぴったりなのも、私がにおいを感じた一因でもあります。
これは、日本語では読む機会の少ない話題を、しっかりとまとめてある、ほかにない本です。ときどき、用語にもオリジナリティが見られます。ワーキングメモリ 思考と行為の心理学的基盤(A. バドリー著、誠信書房)をはじめとして、わが国では「中央実行系」と訳されることの多い概念が、本社中枢のお偉いさんをつい連想する訳語になっています。上に立ってあちこちを回している「小人」ということで、意外によい気はしませんでしょうか。