生駒 忍

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「正統的状況参加」でもわかります

去年の6月、今ごろかもう少し前だったはずですが、tenki.jpのみんなの気持ちで、「正統的状況参加」ということばを使った方がいました。もう、見えるところにはログが残っていないようですが、見たおぼえのある方はいますでしょうか。

「周辺」と「状況」とでは、読みも字面もまったく別で、類義語でもありません。それでも、他の人に通じることばでは何というもののことを言いたいのかは、考えなくてもわかりましたし、あのときに見ていた他の人も、あの分野の基礎知識だけあれば、すぐわかったはずと思います。

同じ用例を検索してみると、10年近く前に、エドという人が、「正統的状況参加」を使っているところが見つかります。この人は、自分のブログ内では、「状況」ではなく「周辺」のほうを使っていたようですが、そこはもう残っていないため、確認できません。状況に埋め込まれた学習(J. レイヴ・E. ウェンガー著、産業図書)を提示していましたので、「正統的状況参加」で指したかったものは、あれのはずです。

それでふと思いだしたのですが、ITmediaエンタープライズにあるコミュニティ・オブ・プラクティスの説明では、その原書が「エティエンヌ・ウェンガー(Etienne Wenger)博士とレイヴ・ジーン(Lave Jean)博士の著書『Situated Learning』(1991年)」と書かれていて、二人の順番がひっくり返った上に、片方の姓名もひっくり返っています。なお、このページがある用語事典コーナーは、「情報システム用語事典」と「情報マネジメント用語事典」との、どちらの呼び方もされています。