生駒 忍

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Harris & Fiske (2006, 2007)

日本感情心理学会第21回大会の特別講演は、会場である東北大学の原塑准教授による『刑法と感情 ―感情に基づく法的判断の健全性―』でした。

その発表スライドを配布資料として印刷したものには、講演内容がすべて出ているほかに、時間調整用でもあったのだと思いますが、「まとめ」の後ろに、「5の補論」が付加されています。そこには、"Harris & Fiske 2006"と、"Harris & Fiske 2007"という実証研究が紹介されています。恥ずかしながら、どちらも知らない論文だったので探してみたところ、前者はPsychol. Sci.17巻のDehumanizing the lowest of the low: neuroimaging responses to extreme out-groups、後者はSoc. Cogn. Affect. Neurosci.2巻のSocial groups that elicit disgust are differentially processed in mPFCのようです。なお、配布資料では、後者の実験で「写真に写っている人物は35歳以上ですか」と問われる課題を用いたように書かれていますが、論文中での説明では、"in the age condition they had to decide if the person was over 35 years old"とあり、たとえば"35 years old and over"のようにはなっていません。課題中に直接提示される表現も、"Participants were prompted with the cue ‘Over 35?’"です。