生駒 忍

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ミスチル桜井の超能力と寝ぼけながらの作詞

きょう、エキサイトニュースに、「終わりなき旅」は半分寝ながら書いた 桜井和寿の天才エピソードという記事が出ました。

「また、桜井さんは自身が書いた歌詞が予言めいたものになる経験が結構あるという、常人には理解しがたいことを語っている。」ことを取りあげます。しばしば、脳梗塞には前兆の自覚の報告がありますが、桜井は先に気づいて身を守りきることはできずに、あちこちに心配や迷惑をかけました。そういうレベルを通りこした「予言」となると、天才的な能力というよりは、超能力の世界でしょう。そう主張する本人の代表作がTomorrow never knows(Mr.Children)というのも皮肉です。また、この曲については、「いずれもミスチルでも有数の名曲だが、これらの誕生秘話は信じられないものばかりだ。」と、「常人には経験し得ないエピソードをたくさん」並べる筆頭で取りあげられますが、「「勝利も敗北もないまま 孤独なレースは続いてく」という歌詞はランニング中に思い浮かんだもの。」、少なくとも凡人の私には、エピソードとしては凡庸にも思えてしまいます。それとも、世界の天才とくらべるなと言われるかもしれませんが、80年代しりとりコラム(泉麻人著、ファミマ・ドット・コム)にある、ルービックキューブは「ドナウ川の流動を眺めていてヒントを得た」発明だという、著者もついていけないと明かすようなものを期待してはいけないところだったのでしょうか。

終わりなき旅(Mr.Children)については、「しかし、この曲の歌詞は半分寝ながらの状態でそのほとんどを書いていたことが明かされている。」、これは凡人にはまねしにくいことだと思います。それでも、ふだんから作詞をしていれば、このくらいは朝飯前になることも、あるのかもしれません。おっぱいとだっこ(竹中恭子著、春秋社)の89ページのまんがの、3こま目のような感覚です。