きょう、BizLadyに、えっそんな素朴なの!? 「高収入な人の95%が好む」意外な食べ物とはという記事が出ました。
「いやいや、実は、世帯年収が高くなればなるほど、“ある食べ物”への好感度が高まることが調査で判明したそうだ。」とありますが、これは昨年10月に話題になったものです。たとえば、マイナビニュースは、年収が高くなるほど、「おにぎり」への好意度が高まる傾向が判明 - 浜乙女と、より情報が多い"お金持ち"はおにぎりが好き!? - 「おにぎり」に関する調査結果を発表として伝えました。ですので、こちらは同じ調査を、「フードアナリストの筆者がお伝え」するところに、価値があると考えるべきでしょう。ふと、週刊朝日 10月31日号(朝日新聞出版)に登場する、「うまい先生の授業を聞くと、同じ定理でもこうも印象が違うものかと驚いた」お話を思い出しました。
「なんと世帯年収1,500万円以上では、95.7%の方が「とても好き」と回答しているという驚きの結果に!」、これがタイトルの、「高収入な人の95%が好む」に対応するようです。「とても好き」を「好む」に、「世帯年収1,500万円以上」を「高収入な人」に言いかえたのは、語感はずれますが、文字数をおさえたかったのだと思います。四捨五入ではなく切りすてで95%としたのは、きりのよい数字に見せたかったのでしょう。
「そこで同調査では、「家庭で作ったおにぎり」と「お店で買うおにぎり」のどちらを食べることが多いかを質問したところ、1,000~1,500万円の層を除き、世帯年収が高いほど“手作りのおにぎり”を食べる割合が高い実態が明らかに。」とあります。「1,000~1,500万円の層を除き、」を除けば、年収と食べる割合との相関関係だと、かんたんに理解できるのですが、この例外が入ると、読みにくくなります。階層ごとに別々に相関を出したのだと誤解する人も出そうです。
「高収入世帯が“おにぎり”を好むという意外な実態」、意外にそういうものかもしれません。ぎらぎらと目だつ、品のない成金のイメージで見てはいけないのでしょう。最近ではたとえば、孫正義の参謀 ソフトバンク社長室長3000日(嶋聡著、東洋経済新報社)でも評価された、「メザシの土光」のエピソードは有名です。また、昨年7月31日付の日本経済新聞朝刊の「私の履歴書」では、ラタン・タタが、「自分で運転するのはホンダのシビック。その方が目立たなくて都合がいいのだ。」と述べています。