生駒 忍

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練馬大根の地産地消と不適切な人生の基準

きょう、練馬経済新聞に、練馬大根を使った期間限定メニュー、区役所内レストランなどで提供という記事が出ました。

「地産地消の促進を目的に、練馬大根を使った料理を手軽に食べてもらいたいと区が各レストランに依頼して実現した同メニュー。」として、3店舗でのメニューが紹介されます。その3店舗は、それぞれ区役所本庁舎、同西庁舎、勤労福祉会館の中の食堂です。区の産品を区の職員が食べる、区が職員に出した給料を区の建物の中で消費させる、区の地域振興の予算を区の建物の中の業者に使う、といった意味での「地産地消」にも見えます。まずはおひざ元でためして、それから区内各地にひろげたいという考えでしょうか。ですが、「練馬大根は、全国的にも知られる伝統農産物だが、生産量はわずかで市場に出回ることはほとんどなく、入手できるのはこの時期だけ。」というものでは、区役所などで食べた区民が手に入れようと思ってもむずかしく、「全国的にも知られる伝統農産物」としての知名度を区内でさらに高めるくらいにしかならないようにも思います。目標を見うしなって、地産地消をうたうための予算の「地産地消」でおしまいでは残念です。ここは、関心をこつこつつくっていけば栽培もいずれは増えて、市場にももっと出回るようになり、それから本格的な地産地消へつなげるという、長期的な目標設定だと考えたいところです。

そういえば、「こころの力」の育て方 レジリエンスを引き出す考え方のコツ(大野裕著、きずな出版)には、「将来のためには「いま」を積み重ねていくことが大事です。」「長い目で見た目標を持っていれば、自分が進んでいく方向を見失わないですみます。」とあります。正論ですし、若い世代に伝えたいことでもあるのですが、うわべだけになりがちで、なかなか伝えにくいようにも感じます。思春期の親子関係を取り戻す 子どもの心を引き寄せる「愛着脳」(G. ニューフェルド・G.マテ著、福村出版)が主題とした、よりによって身のまわりで基準としてはもっとも使えない人を人生の基準にしてしまいやすい問題は、とても多くみられます。あるいは、教育という名の幻想 子どもの事件を読み解く(秋葉英則著、フォーラム・A)には、「目当てを失った青年群像」のお話があります。きょう、その著者である秋葉の訃報が入りました。ご冥福をいのります。