生駒 忍

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スイカのさまざまな切り方と役にたたない努力

きょう、Pouchに、【やってみよう】まだある! 思わずやってみたくなる「スイカを食べやすく切る3つの方法」という記事が出ました。同じくPouchにおととい出た記事、【やってみよう】新しいスイカの切り方! まるでスイカバーみたいにスティック状に切る方法の、「いわばその続編」とのことです。

その1、その2、その3と、3種類の方法が、動画のキャプチャ画像をならべて紹介されます。難易度はそれぞれ、1、3、5と、ひとつ飛びで与えられていて、順位ではありませんが、順序尺度でしょうか。以前に、孤独死3万人説の記事で日常生活自立度のわかりにくさについて触れましたが、この難易度は、値が大きいほどむずかしいという、わかりやすい関係のはずです。

その1は、特別な道具を使います。アップルカッターの化け物のような大きさですが、同じようなものは国内でも手に入り、wkが販売するフルーツカッター スイカ メロン リンゴカット ギザ刃 芯抜き フルーツスライサー ケーキカッターがあります。大は小をかねると言われますが、これひとつでさまざまな食品がカットできるようです。ですが、バナナは別で、バナナスライサーが楽しそうです。

その3は、難易度5というだけあって、練習をつまないとむずかしそうな芸当です。ここでは袋に流しこんでしまいますので、大きな深皿にばっとあけるなど、来客に見せる演出に使えるとおもしろそうですが、おどろきはあっても美しさに欠けて、むずかしいだけで実用的ではないのかもしれません。努力不要論(中野信子著、フォレスト出版)に、「本当に難しいのは、役に立たない部分もリッチにしようとする努力です。」とあるのを思い出しました。また、こんなことを身につけても無意味だと言われそうですが、新世代努力論(イケダヤハト著、朝日新聞出版)は、努力に意味をもとめることの無意味さを指摘しています。

くふうは、切り方だけでなく、食べ方にもあってよいでしょう。同じくPouchに1年前に出た記事、こんな食べ方があったのね! 目からウロコの「スイカ」料理25選は、「ではここで早速、その中からひとつを抜粋して、ご紹介しちゃいますね。」などのことばづかいにいらだった人もいると思いますが、スイカの奥の深さが味わえます。私は以前、抱擁、あるいはライスには塩を(江國香織作、集英社)に登場するカングレホ・サラダは架空の料理だと決めつけていましたが、この記事を見て、それでもロイの感覚はわかりませんが、スイカのソテーもあっておかしくはないと思うようになりました。しかも、ここには収載されなかったスイカ料理も、まだまだあるはずです。たとえば、バカ画像ゲラゲラKING(コスミック出版)の246ページにある、スイカを台に使って東洋風のめんを盛った料理は、いまだに名前もわからず、詳細がつかめないままなのですが、旅先で食べたことのある方はいますでしょうか。