きょう、岐阜新聞Webに、『お父さんがキモい理由を説明するね』中山順司著 娘に告げられた衝撃の本音という記事が出ました。直球のタイトルに、こちらも思わず衝撃を受けてしまいますが、先月に出たお父さんがキモい理由を説明するね 父と娘がガチでトークしました(中山順司著、泰文堂)を紹介するものです。
「寝顔にチュッといったむきだしの愛情表現がすべて裏目に出ているという事実に直面した父親の意気消沈ぶりがなんとも痛ましく、おかしい。」とあります。ここは、私は初出のコラム記事のほうで読みましたが、父がすなおにたずねて、娘が次々にひっくり返し、それでも前向きにたずね続けて、手きびしい内容なのに対話のドアが全開のままという明るさが特徴的です。心に火を。(廣済堂出版)のScene 15、テレホンアポインター編には、「「お母さん」は、実は孤独だ。」とありますが、あくまで「お父さんがキモい」のであって、母はそうでないと断言されるなど、見当がついてはいても、思いあたる人にはこたえそうです。それでも、娘もたまにはフォローを入れますし、形勢逆転しそうな風向きも何度か来て、また押しもどされてと、ワンパターンでないところが救いですし、おもしろさを生んでいます。
父の孤独も重いのですが、いじめや死など、ほかにも重い話題が取りあげられます。それでも、あの筆致ですので、読みやすいだろうと思います。そういった話題までふくめて、「娘世代にとってこそ「いいね!」連打の共感の書」となるでしょうか。