生駒 忍

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島根県特別支援学校の給食で続いた異物混入

きょう、YOMIURI ONLINEに、ろう学校に続き養護学校給食に異物が混入した県という記事が出ました。矢沢慎一という記者による、おとといの島根県教育委員会の発表にもとづく署名記事です。

タイトルに「県」とあるのは、島根県を指しています。ですが、たとえば「ろう学校に続き養護学校給食に異物が混入 島根」、「ろう学校に続き養護学校給食に異物が混入 県教委発表」といったタイトルではなく、あくまで「県」に中心がある統語になっているのが特徴的です。実践国語研究 2014年1月号(明治図書出版)の「「要約」で思考力・判断力・表現力等を育成する(その2)」にある、ヤドカリのお話に対しての、端的で何のうそも入っていないのに、国語としては不適切な要約を思い出しました。

「県」に注意を向けたのは、なぜこの県でばかりという意味あいを出したかったためでしょうか。以前に、福岡県職員続々逮捕の記事を書きましたが、こちらは2回だけとはいっても、普通学校ではなく特別支援学校で混入が続いたところは、めずらしいと言えそうです。また、ここのところの「一票の格差」訴訟でも話題になっているように、山陰はとても人口の少ない地域で、学校給食の対象者もそうでしょう。参考までに、総務省統計局による人口推計(平成24年10月1日現在)で見ると、島根県の年少人口は9万人で、この下には鳥取県と高知県しかありません。

内容の書き方にも、特徴があります。混入が起きたのは、ふつうにスープとだけ書くのではなく、「チンゲン菜入りスープ」です。「プラスチック状の異物(長さ1・1センチ、最大幅4ミリ、太さ1ミリ)」というのも、具体的なようでいまいちわかりません。太さと長さとが書かれているということは、ひも状か棒状か、そういう印象ですが、幅の表記もあるのです。たて11ミリ、よこ最大4ミリとイメージすると、タイのセンレクの切れはしのようなものでしょうか。でしたら、太さではなく、厚さというほうが自然な形状のようにも思います。せめて、かたちについて情報があるとよかったのですが、形状は書かれず、「プラスチック状」という材質の表現だけです。なお、6日の混入事件のほうの記事は、給食豚汁に針金状異物、ろう学校で教諭吐き出すとタイトルにあります。