生駒 忍

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「虐待加害親の心理と●」とは何でしょうか

きょう、ナカニシヤ書店から、心理学教科書目録2014と、心理学新刊図書案内2013春が届きました。いつもお世話になっています。ながめるとほしいものが増えるとわかっていて、しかも何かと物いりになるこの時期でも、これは目を通さずにはいられません。

教科書目録は、表紙に桃色が使われて、やわらかい印象です。領域ごとに整理され、新刊書には「新」とついていて、見やすくて助かります。ですが、常にページの右半分におかれている目次に、細かい表記の不統一があって、やや気になりました。今回が初めてというわけではなく、毎年あるものなのですが、いくつか挙げてみます。

ページ右半分の情報は、内部用の管理コードと思われる部分を除き、ゴシック体になっているのですが、そうでない場合のある文字があります。ローマ数字です。ゴシック体にあわせてあるところと、そうでないところとがあります。新刊書の場合はあわせないようで、社会的養護内容(曻地勝人・進藤啓子・田中麻里編)、働くひとの心理学(岡田昌毅著)と、キャリアカウンセリング再考 実践に役立つQ&A(渡辺三枝子編)とで、そうでない書き方をされています。

ダッシュと思われるところは、常にゴシック体のようですが、ダッシュではない記号のように見えるものも含め、書き方がまちまちです。基本的には、1文字分のダッシュのようですが、いわゆる「二倍ダーシ」になっているものもあり、新刊書では障害臨床学ハンドブック[第2版](中村義行・大石史博編)と、ファシリテーター行動指南書(三田地真実著)とがそうです。対照的に、enダッシュと思われる短い記号を使っているものもあり、新刊書では“いのち”と向き合うこと・“こころ”を感じること 臨床心理の原点をとらえなおす(永田雅子・堀美和子編)がそうですが、認知と感情(北村英哉著)などと異なり、この本に関してはスペース短縮がねらいだとわかります。そして、ダッシュのように見えますがよく見ると少しだけ短い、別の記号に置きかえられているものが、あちこちにあります。見つけにくいのですが、たとえば大学生の自己分析 いまだ見えぬアイデンティティに突然気づくために(宮下一博・杉浦和美著)について、同じページですぐ上の大学生の友人関係論 友だちづくりのヒント(吉岡和子・髙橋紀子編)と見くらべると、わかりやすいと思います。また、逆に、ダッシュを使うとは考えにくいところがダッシュになっていることもあり、教育実践心理学(塩見邦雄編)で混在を見ることができます。

目次の中での太字の使用は、階層的な構成のときに一番上の区分を示すためのようですが、徹底されてはいません。また、明らかに横ならびの章立ての中に、太字とそうでないものとが混ざることもあります。新刊書では、スタートアップ「心理学」 高校生と専門的に学ぶ前のあなたへ(小川一美・斎藤和志・坂田陽子・吉崎一人著)がそうで、「1. 心理学とは」「3. 認知心理学」「5. 臨床心理学」が太字で、それ以外は太字にならない表記です。

入れる必要がよくわからない文字が入っているところもあります。臨床生徒指導 理論編(八並光俊・宇田光・山口豊一編)では、13章に実際にはない百分率記号がついています。また、心の物語と現代の課題 心理臨床における対象理解(後藤秀爾著)では、終章に実際にはないアスタリスクがつくほか、2章が「現代の思春期課題―『千と千尋の神隠し』における大●」、4章が「親になるという物語の喪失―児童虐待加害親の心理と●」という、ふしぎな切れ方になっています。1億人のための心のオシャレ人生設計 心理学からのアドバイス(渡辺利夫著)では、最後に「味」がついています。