WILLPOWER 意志力の科学(R.F. バウマイスター・J. ティアニー著、インターシフト)が公刊されてから、1か月がたちました。読んだ方はいますでしょうか。
Yahoo!ニュースBUSINESSに『スタンフォード~』の次はこれ?「意志力」の第一人者によるベストセラーという記事が立つなど、あのスタンフォードの自分を変える教室(K. マクゴニガル著、大和書房)の類書として紹介されることも多いようです。ですが、特に売れているという話は耳にしませんし、amazon.co.jpのカスタマーレビューは、1件しかついていません。そのレビューでは、「背景となる研究がきちんと紹介されている分、『スタンフォードの自分を変える教室』と比べてややとっつきにくい印象」と書かれている一方で、Yahoo!ニュースBUSINESSの記事では、「当然同じ教訓、ノウハウが書かれた個所もありますが、全体的に見て、こちらの方が詳しく、実験が行われた背景や条件などもわかりやすく書かれてい」ることが評価されています。
第一著者が、amazon.co.jpの内容紹介では「心理学者として世界で最も研究成果の引用が多く、影響力があるひとりとして知られる」、Yahoo!ニュースBUSINESSの記事では「心理学者として世界で最も研究成果の引用が多く、影響力のある学者」とされています。私のイメージでは、心理学関係での被引用では、アトキンソン-シフリンの多重貯蔵モデル、あるいはフロイトの夢判断あたりが敵なしだと思っていましたが、これらを超えたのでしょうか。そういえば、この本のはじめのほうに、マシュマロ実験の話題の中で、「フロイト派の精神分析法にとって大きな打撃となった」という表現が出てきます。