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問93 心神喪失者等医療観察制度

医療観察法は、正式名称を心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律といい、国民の体感治安の問題や刑法39条への反発への、国としてできる精いっぱいの対処である一方で、非道な保安処分の再来とみなす否定的評価もあります。

 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律 - 法令データ提供システム

制度の全体像は、厚労省のサイトにある図がわかりやすいと思います。

 心神喪失者等医療観察法 - 厚生労働省

1、対象は重大な他害行為に限られます。放火は入りますが、器物損壊は入りません。強制わいせつは入りますが、公然わいせつは入りません。傷害は、ぎりぎりで入っているような印象です。

2、保護者制度は1章5節に、当初から定められています。選任の申し立ての方法は、裁判所のサイトの保護者選任を参照してください。保護者制度が廃止されたのは、精神保健福祉法のほうです。

3が正解です。地方裁判所が、医療機関の鑑定を得ながら処遇を決めます。

4、そんな規定はありません。医療がより求められると思われる人の制度適用がなくなるようなルールがあっては困ります。