出題解説

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問92 宇都宮病院事件と法改正

1が正解です。今もある報徳会宇都宮病院で、入院患者2名が暴行で死亡したことが漏れ、ここから日常的な暴力、乱脈医療、経済的搾取、東大教員たちの黙認などが発覚していきました。人権問題として国際的にも非難がおこり、精神保健法への改正へとつながりました。なお、らくらく暗記マスター 精神保健福祉士国家試験2015(中央法規出版)のように、1984年に死者が出た事件として書いたものもありますが、立件にいたった2名の死亡は1983年のことで、事件化したのが翌年です。

2、大和川病院事件は、柏原市にあった大和川病院での、暴力や不正の横行が大きな問題となったものです。精神衛生法から精神保健福祉法への改正に影響したとされます。この病院は、巨額の診療報酬不正から、廃院となりました。

3、相馬事件は、旧相馬中村藩主の相馬誠胤が精神病とされて座敷牢に、そして今の精神科病院にあたる癲狂院に入れられたのは乗っとりの陰謀だと主張する旧家臣が、訴訟や世間へのキャンペーンを展開したものです。精神病者監護法の制定をみちびいたとされます。日本精神医学会のウェブサイトにある、写真で見る「日本精神医学・医療」の歩み-1 「相馬事件」とはを示しておきます。

4、練馬事件は、組合の不法行為の取りしまりを逆うらみした日本共産党員による警官殺害事件や、投票時間をすぎての投票を認められなかったことを逆うらみした創価学会員による投票所襲撃事件をさす表現です。