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問67 イースターリンのパラドックス

経済学者Easterlin, R.A.は、国際比較データから、単純に経済的な豊かさが高まるほど幸福度が高まっていくわけではないことを示しました。ただし、その一般性や解釈には、今なお議論があります。Nations and Households in Economic Growth: Essays in Honor of Moses Abramovitz(Academic Press)で発表された論文をPDF化したものを挙げておきます。

 Does Economic Growth Improve the Human Lot? Some Empirical Evidence - nytimes.com

また、日本語で見られる近年の類似の知見としては、ウェブ公表されている平成20年版 国民生活白書の、第1-3-2図がわかりやすいと思います。なお、この白書の市販版(時事画報社)では、この図にミスがありますので、気をつけてください。

1が正解です。一般には、豊かさが増して欲求が満たされても、新たに欲求が生じたり、周囲と相対的に比較したりしてしまうためだと考えられています。

2、アメリカでは中年期から着々と幸福度が高まっていくことが知られていますが、日本ではそのようになりません。先ほどの国民生活白書の第1-3-5図で、日米のあざやかな対比を見てください。

3、性別役割分業と幸福との関連については、はっきりしないところです。関連して、対等な夫婦は幸せか(永井暁子・松田茂樹編、勁草書房)という本もあります。

4、どうでしょうか。ちなみに、ホントに長生きするのはどっち?(宝島社)には、離婚と生命予後との関係における性差が紹介されています。