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問60 内観療法の考案者と手法

内観療法は、浄土真宗の僧侶であった吉本伊信によって、わが国で独自に開発された心理療法です。Naikanとして、海外でも知られるようになっています。

1、森田正馬は、森田療法の開発者で、内観療法とは別です。後に、Reynolds, D.K.はコンストラクティブ・リビング(CL)として、両者を組みあわせたアプローチを構成しましたが、森田が内観療法をつくったわけではありません。なお、精神保健福祉士国家試験受験ワークブック2015(中央法規出版)を読んで信じた人は、私がうそを書いているように誤解すると思いますが、あちらのほうが不適切だと断言させてもらいます。百歩ゆずって、内観療法に森田の影響があると論じる程度ならまだしも、森田のほうのみを赤字で強調してまでとは、常軌を逸しています。あの定評ある参考書で、毎年あの書き方ですので、たまたま編集ミスで混入したのではないわけで、私がここで書いたくらいで妥協する方ではなさそうですが、内観療法の開発者は吉本ひとりと覚えてください。

2、これは壺イメージ療法になります。田嶌誠一によって開発されました。

3、これは風景構成法になります。中井久夫によって開発されました。

4が正解です。内観の吉本原法としてイメージされるのは集中内観で、研修所に寝泊まりしながら、外界からはなれて数日をかけて行います。日常内観では、ふだんのくらしの中で機会をとり、内観三問などに向きあいます。