出題解説

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問59 従軍後のPTSDへのEMDR適用

1、PTは、戦傷者には身体的なリハビリテーションとして有効ですが、重度のPTSDへの介入技法としてはあまり適しません。

2、SGEは開発的な機能が中心ですので、PTSDへの介入には向きません。集団技法で有用なのは、自助グループなどでしょう。

3、MCMCは乱数シミュレーションから確率分布を得るアルゴリズムの一種で、心理臨床的な技法ではありません。心理学の分野にも広まりつつあるベイズ統計では、パラメータの推定によく用いられます。一部で「みどりぼん」として名高い、データ解析のための統計モデリング入門 一般化線形モデル・階層ベイズモデル・MCMC(久保拓弥著、岩波書店)を紹介しておきます。

4が正解です。EMDRは、Shapiro, F.によって開発され、特にPTSDへの著効性で知られています。正式には8段階から構成され、そのうち第4~6段階で、名前の由来である眼球運動を用いたアプローチがとられます。くわしくは、開発者自身による概説、EMDR 外傷記憶を処理する心理療法(二瓶社)を見てください。