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問44 性別違和と性同一性障害者特例法

ICD-10や、わが国の行政用語では、性同一性障害という呼び方が使われています。GIDと略されることもあり、専門の学会としてGID学会があります。一方で、DSM-5にこの表現はなくなり、性別違和へと変更されました。

1、性別違和は、身体的ないしは生物学的に明確な性別と、自己の性別に関する信念との不整合とそれによる苦痛、信念に合致する性別への希求によって特徴づけられ、法律上の性別は、本質的には無関係です。

2、同性愛は、性指向が同性へ向かうことであって、定義が別であるばかりでなく、性別違和との重複例も多くはありません。同性愛者の多くにおいて、自身の性別自体に関しての不一致による苦痛が前面に出ることはありません。ちなみに、「ニューハーフ」「おかま」「オネエ」などといった位置づけでメディアに登場する人々には、これらや異性装など、さまざまな表出される性のかたちが、ある程度は意図的に、ぼかして混ぜられているようですので、注意してください。

3、かつてはオペラント条件づけを応用した介入が試みられましたが、期待されたような効果は上がりませんし、倫理的な問題もあるため、不適切な治療手段です。

4が正解です。性同一性障害者特例法3条の定める、審判の要件も確認しておきましょう。