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問43 痛覚のゲートコントロール説

1、これは意思決定において、前頭前野の関与の下で、リスクのある選択肢には不快な身体感覚がともなうなどして、無自覚的に選択が調整されるとする考え方です。Damasio, A.R.が、デカルトの誤り 情動、理性、人間の脳(筑摩書房)で主張しました。

2、これは感覚モダリティごとに別々の神経系が対応し、個々に生理学的なエネルギーがあるという考え方です。特殊とあるのは、特殊な性質のエネルギーという意味ではなく、spezifischenですので、各モダリティにそこだけに対応する特定的なものという意味あいです。ミュラー管の名前の由来でもある生理学者、Müller, J.P.が主張しました。なお、世界で2番目の心理学教室をひらいたMüller, G.E.や、ミュラー・リヤー錯視の名前の由来でもあるMüller-Lyer, F.C.とは別人です。

3、これは統合失調症の症状を神経生理学的に説明するものです。ドーパミン系にはたらきかけるタイプの薬物が統合失調症に奏効することが経験的に示されてきましたが、修正ドーパミン仮説は、脳内でドーパミン系の活動が変調をきたしたのが統合失調症で、過活動が陽性症状、低活動が陰性症状を生じると考えます。

4が正解です。持続的な二次痛覚を起こすことになる侵害受容器からの入力が、脊髄後角から中枢に入るときに、ほかの触覚入力がこの信号を抑制し、「ゲート」の通過をさまたげると考えます。