出題解説

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問41 鏡に映った自己の理解

1、鏡映認知の現象は、Gallup, G.G.がチンパンジーで得たことが有名です。一方、類人猿でもゴリラにはむずかしいようです。なお、長鼻類や鳥類でも確認されたという報告もありますが、実験手法の相違や、事例的な報告であることなどから、議論があります。

2が正解です。対象には気づかれないように、鏡を使わないと見えない位置に、見えれば注意をひくようなマークをつけて行います。口紅などを用いる実験例から、ルージュテストとも呼ばれます。

3、鏡に映った自己への自己意識的感情は、マークテストの通過と前後して、幼児期に現れるようになります。

4、Lacan, J.は、身近な他者のうつし返しで自己をつかむことを論じていて、鏡そのものである必要はありません。Cooley, C.H.の鏡映的自己の概念と同様です。鏡像段階論は、この思想家の主張にしては比較的理解できる人が多いので、これだけでもよいので知っておきましょう。後期の思想にまで興味がひろがったら、はじめてのラカン精神分析 初心者と臨床家のために(A. ヴァニエ著、誠信書房)をおすすめします。