1、低次知覚や運動の障害は、高次脳機能障害には含めません。
2が正解です。言語機能が丸ごと失われたのではなく、ことばに表すことへの選択的な障害ですので、表出性失語とも呼ばれます。ブローカ失語という呼び方は、責任病巣である運動性言語野がブローカ野と呼ばれることも含めて、1861年にその症例報告を行ったBroca, P.に由来します。「ブローカー」とは書かないでください。
3、失認では、感覚やほかの認知機能の異常によらずに、あるモダリティから入力された事物の理解が、選択的に障害されます。典型的な視覚失認では、色やかたちの知覚は正常で、その事物の知識もあって想起可能であるのに、実際に見てもその事物だという認識が成立しなくなります。顔を見て誰なのかがわからなくなる相貌失認など、対象が限定的な場合もあります。
4、器質性の疾患ですので、認知リハビリテーションなどが有効とされる一方で、一般的な心理療法は本質的な治療には適しません。二次的な精神症状や実存的な苦痛の改善であれば、射程に入るでしょう。