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問109 離脱理論と活動理論

エイジングの理論については、ここで取りあげた離脱理論と活動理論とが、古典的な対照としてよく言及されますが、遅れて現れたサクセスフル・エイジングやプロダクティブ・エイジングなどの考え方も、合わせて整理しておきましょう。

1が正解です。加齢による心身のおとろえは防ぎきれませんので、無理を生じる前に整理していくことが望ましいとします。

2、離脱理論は脱施設のうごきの足場ではありません。むしろ、老いたらそれまでの社会関係からきちんと引くという点では、施設福祉への親和性が高いという見方もできるでしょう。

3、エイジングの理論である活動理論は、1970年代に展開されて、離脱理論との論争が起こりました。一方で、心理学で活動理論と呼ばれる考え方には、Vygotsky, L.S.以来のソヴィエト心理学のものもあり、相互に結びつきはありません。後者の本質を正統につぐEngeström, Y.は、拡張による学習 活動理論からのアプローチ(新曜社)を著しました。

4、エイジングの活動理論は、そのようなマクロな骨組みでつくられてはいません。