出題解説

記事一覧

問102 いじめの定義とネットいじめ

いじめ防止対策推進法は、なお「加害者」側が認めないなど係争中の大津中2いじめ自殺事件を受けて、議員立法でつくられました。長く、旧文部省や文科省の調査においてのものが、いじめの公的な定義とされてきましたが、2条1項は、いじめに法的な定義を行いました。

 いじめ防止対策推進法 - 法令データ提供システム

1、いじめの4層構造は、いじめ 教室の病い(森田洋司・清永賢二著、金子書房)によって広く知られますが、これは定義ではありません。この法律にも、旧文部省や文科省の定義にも、直接には反映されていません。

2が正解です。2条1項のかっこ内に「インターネットを通じて行われるものを含む。」とあります。文科省の調査にも「パソコン・携帯電話での中傷」が加えられましたし、いじめの構造(森口朗著、新潮社)でいう「犯罪型コミュニケーション系いじめ」を取りこんだといえます。

3、かつての文部省時代からの調査での定義には、弱者への一方向性、攻撃の継続性、苦痛の深刻性がありましたが、これらははずされました。文部科学省のサイトから、いじめの定義を参照してください。もちろん、法的定義にもありません。

4、そのような内容はありません。なお、23条6項は、犯罪性のあるものには警察との連携を定めています。