出題解説

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問10 味覚の分類と特性

1、味覚と嗅覚とは、化学物質の検出に特化した感覚として、化学的感覚に分類されます。触覚や痛覚などの皮膚感覚は、それとは別です。

2が正解で、舌の上に色で塗りわけたり、点線を引いて区切ったりした味覚地図説は、すでに科学的には否定されています。位置によって多少の閾値のちがいはあっても、あの「地図」のように分かれて分布してはいません。ただし、一次味覚野内での味ごとの神経反応の分布を示したものを「味覚地図」と呼ぶことがあり、こちらは実在します。基礎歯科生理学 第6版(医歯薬出版)の図14-12で、2種類を見ることができます。

3、基本5原味に渋味はなく、そのかわりにうまみが入ります。4原味説でも、渋味は入りません。なお、最近、第6の味として、油脂に対応するオレオグストゥスが提案されています。Chemical Sensesの論文、Oleogustus: The Unique Taste of Fatですが、いかがでしょうか。

4、味覚は発達早期から機能しはじめ、新生児でもある程度の味覚の弁別ができます。もちろん、経験をとおして発達する側面もあります。